1月15日 大英博物館が開館(1759年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1759年の今日、英国の国立博物館で、世界最大級の博物館の1つである大英博物館(British Museum)の公開が開始されました。一般的には、この日が大博物館の開館日とされています。自然科学のみならず、人文、社会と、近代の知全般を支えた博物館のはじまりの日です。

【写真】大英博物館
  大英博物館 photo by iStock

大英博物館の起源は、18世紀の医師で、王立協会の会長もつとめたハンス・スローン(Sir Hans Sloane, Bt、1660-1753)の膨大なコレクションにさかのぼることができます。

スローンは、西インド諸島で出会ったココア(チョコレート飲料)を広めたことでも有名ですが、幼いころから博物学的なものや奇妙なものを収集する癖があり、長じて著名な博物収集家と親交を深めるなかで、他人のコレクションを買い取って自らのリストに加えていきました。

【写真】ロンドンのハンス・スローン像
  ロンドン・ケンジントン・アンド・チェルシー王室特別区にあるハンス・スローン像。チェルシー薬草園の設立に貢献があった photo by gettyimages

スローンの遺言によって、彼の膨大なコレクションは政府に売却され、イギリス議会は彼のコレクションを中心に既存、および新たに購入した蔵書群とともに、ロンドン・ブルームズベリ地区にあったラルフ・モンタギュー公爵(Ralph Montagu, 1st Duke of Montagu、1638–1709)の旧宅で展示することにしました。これが大英博物館のはじまりです。

19世紀になると、世界中における大英帝国の活動にともない、収集品は膨大なものとなってきました。膨大な蔵書の閲覧のために、1857年には有名な円形の図書室が完成しています。

【写真】円形ドームの図書閲覧室
  円形ドームの図書閲覧室 photo by gettyimages

世界中から集められた文化財や芸術品が多数収蔵・展示されており、エジプトで発見され、ヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)解読の重要な手がかりとなった石碑「ロゼッタ・ストーン」や、古代エジプトのミイラ、ギリシャのパルテノン神殿を飾った彫刻、イースター島のモアイ像、ラファエロの素描などが収蔵されています。

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こうした収蔵品には、イギリスが旧植民地から持ち出してきたものも多く、その多くが国家として独立した今となっては、とても国外に持ち出せない、その国の貴重な財産となるはずだったものも少なくありません。そのため、しばしば、イギリスに対する返還要求が出されています。

こうした収蔵品の収集方法に疑問の声がある一方、戦乱や不安定な情勢における破損、盗難から守られる形で、関連した資料が集められたために研究がより進んだという指摘もあります。

なお、収蔵品のうち自然科学に関するものは、生物学者、比較解剖学者で、王立協会フェローだったリチャード・オーウェン(Sir Richard Owen, 1804–1892)の提言により、1881年に別館に移されました。1963年には正式にロンドン自然史博物館〈別館時の英名"British Museum (Natural History)"から"The Natural History Museum"に変更。博物館法に定められた独自の評議会を持つ〉となりました。

【写真】ロンドン自然史博物館設立を提言したR・オーウェン
  自然史博物館別館設立を提言した生物学者リチャード・オーウェン。ダーウィンにも、その交流の中で影響を与えた photo by gettyimages

その後、ウォルター・ロスチャイルド動物学博物館(Walter Rothschild Zoological Museum)、英国地質調査所(British Geological Survey :BGS)などを併合し、地球科学、生命科学を中心とした世界有数の自然科学系博物館となっています。収蔵品の第一歩となったハンス・スローンの植物や動物の標本も収められているということです。

【写真】ロンドン自然史博物館
  大英博物館の自然科学系の別館から独立したロンドン自然史博物館 photo by iStock