日本人の生産性が低いのは、「日本人そのもの」が原因だった…!

過剰なおもてなしと遅すぎるIT投資
中原 圭介 プロフィール

今のところ、置き配に対して盗難などの不安を訴える人がいる一方で、再配達をわずらわしいと思う人もいます。民間などの調査によれば、意見はほぼ半分に割れているようです。

アマゾンと楽天などは消費者が置き配を選べるサービスを始めていますが、両社は盗難や破損があれば全額を補償すると説明したうえで、その対象エリアを徐々に拡大しつつあります。両社の取り組みが上手く機能するようになれば、日本でもネット通販が先導役となって置き配が一般的になってくるかもしれません。

宅配便の「置き配」で給料アップも

そうなれば宅配便業者の生産性は2割程度上がるばかりか、従業員の給与アップやモチベーションに上昇にもつながります。不在時の再配達が大幅に削減できれば、業界の深刻な人手不足もだいぶ緩和することができます。

 

当然のことながら、置き配の拡大と併行して、置き配を認めない消費者向けに宅配便ロッカーを要請したり、コンビニでの受け取りを推進したりする取り組みも必要となってくるでしょう。

宅配便の置き配を認めるか否かという事例だけでなく、生産性を上げる事例を挙げれば枚挙にいとまがありません。

たとえば、日本のスーパーマーケットなどでは、消費者が求めれば目当ての商品を探すのに店員が棚まで誘導してくれますが、アメリカでは店員がそのような過剰なサービスはしてくれません。日本の量販店より規模が大きいウォルマートでは、相当に慣れていないと商品をひとつひとつ探すのにも骨を折ることになりますが、アメリカの消費者にとってはそれが当たり前となっているのです。

〔photo〕gettyimages

さらには、海外へ航空機で行くのにエコノミークラスに乗れば、日本と海外の航空会社ではサービスの質が違うことがよくわかります。日本の航空会社の接客が普通だと思ってはいけません。

海外の航空会社であれば、エコノミークラスの乗客は荷物と同じ扱いをされることが多いのです(すべての海外の航空会社がそうとは言いませんが)。日本人はそれが世界のサービス業の標準であって、日本の消費者向けサービスは過剰になされているという視点を持たなければなりません。