日本人の生産性が低いのは、「日本人そのもの」が原因だった…!

過剰なおもてなしと遅すぎるIT投資
中原 圭介 プロフィール

日本の経営者たちも古いシステムの除去に尻込みすることなく、システムをクラウド型に切り替えるという決断をする必要があります。

とりわけ経団連に加盟する企業では、サラリーマン社長ゆえに大型のIT投資に踏み切ることができず、遅かれ早かれ多くの大手企業は競争力を失い、日本の生産性は他の主要国との差が開いていってしまうのではないかと危惧しているところです。

これに比べて、これまでシステムを導入してこなかった割合が高い中小企業のほうが、規模が小さいメリットを生かして、業務のクラウド化によって効率化を推し進めることができる可能性が高いように思われます。

宅配便に再配達させるのは罪深い

日本の低生産性の最大の要因であるサービス業の分野でも、業界によっては生産性を大幅に引き上げる方法がないわけではありません。

 

たとえば運送業では、近年増加が著しい宅配便の荷物をアメリカと同様に玄関や軒先などに置いて届けることができれば(=「置き配」という配達方式に切り替えることができれば)、業界全体の生産性を簡単に1割程度引き上げることができるのです。

業界の推計では宅配便が再配達になる割合は2割近いとされているので、宅配便に特化する企業であれば、その生産性は2割程度も上がることになるわけです。

〔photo〕iStock

2018年の時点では、専業主婦のいる世帯は12%にすぎず、共働き世帯の26%や単身世帯の35%を下回っています。将来の人口動態から推計すれば、2030年には単身世帯が38%に達すると同時に、共働き世帯は30%を超え、専業主婦のいる世帯は10%を下回っているといいます。

このままでは再配達の割合が上昇していくのは不可避なため、そういった現実的な数字を踏まえて、宅配業界ではできる限り新しい配達方法に移行することが求められています。