日本人の生産性が低いのは、「日本人そのもの」が原因だった…!
過剰なおもてなしと遅すぎるIT投資「おもてなし」が日本を滅ぼす…?
海外を旅行して日本と比べて各種サービスが「雑だな」と感じた方は多いでしょう。
しかしこの感覚が、日本の経済的な低迷の原因の一つであるとしたら、あなたはどう思うでしょうか。
実は主要国の生産性が高いのは、日本と比べて各種のサービスがとても「雑」だからなのです。逆に日本の消費者が「雑なサービスでもよい」と納得できるのであれば、日本の生産性は思いのほか伸びる可能性がある。
日本の生産性が低いと指摘されているのは、「日本人の価値観の問題に帰結する」といっても過言ではないのです。
今回はそうした話から日本の生産性が低い理由を考えてみたいと思います。

最低賃金の大幅な引き上げが招く危機
昨今の日本の生産性を高めようという議論は、実は「最低賃金の大幅な引上げ」の議論と密接にかかわっていることをご存知でしょうか。
昨年の経済財政諮問会議でも最低賃金を5%引き上げるべきだという意見があったということですが、それは政府内に「何としても労働生産性を上げろ」という掛け声があるからです。しかし、生産性を上げることは何も最低賃金を大幅に上げることだけで成し得ることではないということを、私はこれまで寄稿した記事で主張してきました。
◆『「最低賃金1000円実現」で、これから日本で起きるヤバすぎる現実』
(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67370)
◆『韓国・文在寅政権の「失敗」を、なぜか日本が「マネ」しかねないワケ』
(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/67373)
日本の生産性を地道に上げていくためには、最低賃金の大幅な引き上げによって一律でやろうとすると、かなり高い確率で失敗することになるでしょう。
そのような総論的な対応策よりも、日本の企業が抱えている問題点や業界別に生産性を下げている要因を分析し、各論で対応したほうが現実的であり効果が見込めると思います。そういった意味でも、専門家は、安直な対応策を分け隔てなく推し進めようとするのではなく、バランスの良いアプローチを考えなければなりません。