「名古屋駅でウニの化石が大量発見」というトピックが、ちょっとした話題となった。私にとっての日常ツイートが拡散された結果である。
発見と言っても、学術的な新発見というわけではなく、「みーつけた!」という程度のノリである。にもかかわらず、あたかも大発見をしたかのような報道のされ方に困惑させられたが、せっかくなので、石好きが増えるきっかけになるよう前向きに捉えよう。
私が名古屋駅新幹線待合室の床にウニの化石があることに気づいたのは5年くらい前のこと。大雪による新幹線のダイヤの乱れのせいで、しばらく待合室で待とうと、たまたま空いていたテレビの下の席に座ったときであった。
テレビで気象情報が流れていることもあってか、多くの人がそれぞれのスマホ画面かテレビの方を見ていた。私は、いつものクセで、下の方に目を向けた。床一面に化石がありそうな石材が敷き詰められていることは知っていたのだが、普段混雑していることもあって、じっくり観察したことはなかったのだ。
はたして、化石はすぐに見つかった。それがウニだった。
それまで気づかずにいたことに多少の悔しさも感じつつも、いいものを見つけた興奮を得たとでも言ったら良いのだろうか、要するに楽しくなっていた。おかげで、充実した新幹線の待ち時間となった。おそらくニヤニヤしながらツイートしていただろう。
それ以来、新幹線待合室での化石探しは私の密かな楽しみのひとつとなった。