側近の告白! ソフトバンク・孫正義の知られざる「頭の中」と「素顔」

300年先までを記した巻物を片手に…
砂川 洋介 プロフィール

20年前から構想されていた「群戦略」の原型

いま孫氏を語るうえで「群戦略」という言葉が欠かせないものになっている。ソフトバンクグループの「300年ビジョン」の戦略の根幹を支える「群戦略」は、社会のイノベーションに寄与するあらゆる企業に投資し、互いのシナジーを図り、社会を一変させるという大胆な戦略である。

こうした孫氏のビジョンが確立されたのも、じつはいまから遡ること20年も前のことだったということが今回明らかになった。

 

じつは当時、孫氏の指示のもと、三木氏は過去の世界各国の歴史をひもときながら、アシア・ブラウン・ボベリなど世界の財閥の研究を重ねていたという。

目的は「300年続く企業の条件」を探し当てること。その中には、世界一の投資家ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイも含まれ、1888年の創立時からの同社の歩みも研究された。

こうして1999年当時に三木氏が編み上げたのが、実に「300年にもおよぶソフトバンクの売上高の目標」だった。それは数メートルにも及ぶ紙に書き記され、孫氏は「巻物」として、それを持ち歩いていた。そして2000年の年が明けたとき、孫氏から「ある計画」が発表されたのだという。

「新年にあたり1年の計画を立てると言うので、1月3日に孫社長の自宅に私は呼び出され、孫社長が語るべき、計画を一緒に考えた。そして迎えた仕事始めの日、孫社長は幹部に対してこう宣言したんです。

『すべての業種に進出する。中間持ち株会社を作ってバンバン投資する』
『アメリカの時価総額3000億円以上の会社すべてと、ジョイントベンチャーを作るのだ』

これこそがまさに今日の『群戦略』につながる第一声でした。

しかしその3ヵ月後、ITバブルが崩壊し、9兆円あったソフトバンクの時価総額は、一気に低迷します。そのためこの計画が実行に移されるまで、15年以上もまたされることになったのです」