前回の記事「【研究結果】本当に何かを習得したいなら、学習ではなく〇〇が効果的」に引き続き、最新の研究成果に基づいた効果的な外国語学習法をご紹介します。
今回は、「ブロック練習」と「ミックス練習」をキーワードに、効果的な外国語学習法について考えます。
「ブロック練習」とは、同一カテゴリーに属する課題を連続して練習すること、「ミックス練習」とは、様々なカテゴリーに属する課題を順不同に練習することを指します。
具体的にイメージしやすいように、米国サウス・フロリダ大学のケリー・テイラー氏とダグ・ローラー氏が行った研究をご紹介します(*1)。彼らの研究では、アメリカの小学生が数学に関する4種類の問題(多面体の辺・面・角・角度の数を求める問題)を解きました。
参加者は、(a) ブロック練習条件または (b) ミックス練習条件のいずれかに割り当てられました。(a) ブロック練習条件では、「辺の問題を8問→面の問題を8問→角の問題を8問→角度の問題を8問」というように、同じ種類の問題をまとめて解きました。(b) ミックス練習条件では、4種類の練習問題を順不同に解きました。
練習の1日後に事後テストを行い、学習効果を測定しました。実験結果を以下のグラフに示します。
上のグラフからわかる通り、練習問題の正答率に関しては、ブロック練習の正答率(99%)はミックス練習の正答率(68%)を大きく上回っていました。一方で、1日後の事後テストでは、この結果は逆転しており、ミックス練習(77%)はブロック練習(38%)よりも2倍以上高い正答率に結び付きました。