1月14日 英国の地質学者A・ホームズ誕生(1890年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

1890年のこの日、英国の地質学者で、地球の地質年代の先駆的な研究を行ったアーサー・ホームズ(Arthur Holmes、1890-1965)が、イングランド北東部の工業都市ニューカッスル(Newcastle upon Tyne)近郊に生まれました。

 

少年時代にケルビン卿ウィリアム・トムソン(William Thomson、1st Baron Kelvin、1824-1907)の講演録を読んで科学、ことに"地球の年齢"に興味を持ちました。

ケルビン卿は1862年、熱伝導理論によって球の冷却速度を計算し、地球の年齢を数千万年としました。ですが、20世紀に入るころには、その想定が当時の地質学の新知見と矛盾することから、かなり熱い議論が交わされるようになっていました。

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  ケルビン卿ウィリアム・トムソン photo by gettyimages

奨学金を得て、1907年に発足して間もないインペリアル・カレッジ・ロンドン(英語: Imperial College London, ICL)に入学すると、物理学、さらに地質学を専攻し、その数年前にノーベル物理学賞を受賞したばかりのジョン・W・ストラット(John William Strutt, 3rd Baron Rayleigh、1842-1919)の指導の下、ウラン・鉛年代測定法による年代測定の研究をはじめました。

その結果、ケルビン卿の地球が誕生から数千万年という論に疑問を持っていたストラットとホームズは、地球は生まれてから少なくても45億年は経ていることを示しました。放射線同位体による地質年代測定のはじまりです。

  ホームスの指導に当たった3代目レイリー男爵・ジョン・W・ストラット photo by gettyimages

ホームズは、他にも地質学を広い分野にわたって研究しましたが、もう1つ特筆されるのは、ドイツの気象学者アルフレッド・ウェゲナー(Alfred Lothar Wegener、1880-1930年)が唱えた「大陸移動説」の最初期からの支持者であったことです。彼は「大陸移動の原因は地殻下層のマントルの対流によるもの」ではないかという仮説を立てていました。今日で言うところのマントル対流説です。

関連の日:1月 6日 ウェゲナーが大陸移動説を発表(1912年)

この仮説を理論的に進めて発表したものの、残念ながら彼自身はこの説を実証する研究や実験は行いませんでした。それでも、マントル対流説は今日のプレートテクトニクス理論の基礎となったのです。