提供:コーセー

地球の環境汚染がますます深刻化する一方で、豊かで美しい自然を守るための活動を続ける人たちがいます。雪肌精を通じて、私たちにできることとは。


●お話を伺ったのは……

金城浩二 
きんじょう・こうじ/「海の種」代表取締役。「さんご畑」でサンゴの養殖を始め様々な活動を行っている。www.sangobatake.jp

畠山重篤 
はたけやま・しげあつ/「NPO法人森は海の恋人」理事長。京都大学社会連携教授。森の民と海の民、そして流域の人々とともに海を守る森づくりを実践している。www.mori-umi.org

海を守ることが森を守り、
森を守ることが海を守る

沖縄の読谷村に、サンゴの養殖施設「さんご畑」がある。そこでサンゴの苗を育て、根付いたものを海に移植しているのが金城浩二さんだ。彼にとって幼い頃から見てきた沖縄の海は、色とりどりの海洋生物が自由に泳ぐカラフルな光景が広がる、天国のような場所だった。しかし近年、環境汚染の影響で90%のサンゴが死滅するという現象が起きた。

豊かな自然環境を後世まで受け継いでいく必要がある」。

そんな使命感からこの活動をはじめた。金城さんは、サンゴの養殖を始めとするサンゴの保全活動はもちろん、サンゴを多くの人に知ってもらうための施設「さんご畑」の運営や、海辺のごみ拾いをスポーツ化した「クリーンピック」、全国各地でサンゴについての知識を広めるための講演活動などを行っている。

「世界的に問題視される地球温暖化が進む中、海の自然環境も気候変動の影響を受けて変化していて、日々自然と向き合う僕は、一般の方以上に気候変動の激しさに怖さを感じています。この活動を続ける中で、人々の自然環境を守りたいという意識が明らかに高まってきていると感じる一方、自然環境を良くするための具体的なアクションを起こす人はまだまだ少ないのが現状。サンゴは海の生態系の起点で、海に棲む生き物全ての命を育むものなので、そのサンゴを守ることはとても重要なんです。僕が海に対してできたのは、小さなサンゴを作ることだけ。このこと自体が環境に対して与える影響は微々たるものだと思いますが、僕らの活動を通じてサンゴのことをもっと多くの人たちに伝えたいと思っています」

金城さんは、多くの人たちに自然環境のこと、サンゴのことをより身近に、自分のことのように感じてもらうところまでつなげられるよう願っているのだ。

また、平成元年から、気仙沼湾に流れ込む大川の水源地の山に、現地の自治会と連携して漁師による植林活動「森は海の恋人植樹祭」を開催している人がいる。

「NPO法人森は海の恋人」理事長の畠山重篤さんだ。毎年6月第1日曜日に全国から約1500名の参加者を募り、ブナやカエデ類などの落葉広葉樹を植えている。同時に、子どもから大人までを対象にし、牡蠣養殖フィールドを活用して海の体験学習を続けている。東日本大震災後は京都大学など複数の研究機関との協働で、気仙沼湾から大川上流までの自然環境調査を定期的に実施。

「森里海という自然のつながりを分断しているのは人であり、森だけ、海だけという単体の環境を改善しても意味がないということが見えてきました。森と海との間には里があり、人々の生活があります。森に木を植えると同時に、人の心にも木を植える活動を継続してこそ、自然環境のつながりは健全な形で保たれるのだと考えました。山に木を植えることで、流域に住む人々の意識が変わり始めました。外部から植樹祭に参加してくれる人々が多くなるにつれて、住民の皆さんも身の回りの自然環境の保全に意識が向いたのだと思います。また、流域の子どもたちを海の体験学習に招き入れたことが影響し、子どもから親へ自然保護の意識が伝わるようになってきました。海の自然環境が良くなるよう、流域に住む人々の中に家庭でできることからはじめようという意識が芽生えはじめたのです。また、30年以上も活動を続けてきたことで、世代を超えた活動の輪が広がっています。植樹祭を始めた当時に参加してくれた子どもは親となり、自分の子どもと一緒に植樹祭に参加してくれるようになりました」

山に木を植える活動を続けていくことで、人の心持ちが変わり、自然環境の大切さを意識した生活をおくる家庭が増えれば、結果として流域の自然環境は健全な状態に保たれる。そう畠山さんは確信している。

海を守ることが森を守ることにつながり、また森を守ることが海を守ることにつながる。どちらかひとつが欠けてしまっても豊かな自然環境は保たれないとふたりは言う。

「森だけ、海だけの自然環境を維持しようとするのではなく、それらを取り巻く人間社会をも巻き込んだ活動が、森と海とのつながりある仕組みを健全に保つ方向に推し進めていると考えています。今後、ますます世代を超えた活動へと移り変わっていくことでしょう。それは自然環境の姿そのものだと思います。一点に留まらずに絶えず移り変わっていく、その仕組みを支えられるのは自然環境の一部でもある人なのだと思います」と畠山さん。

先日金城さんと畠山さんが対面する機会があった。その時の感想をふたりに聞いた。

「金城さんは力強い生命力をお持ちの方だと感じました。お話しさせていただいているうちに、信念を貫こうとする意志を強く感じました。金城さんのような方が各地にいらっしゃると、自然環境はより良いものへ変化していくことでしょう」(畠山さん)

「日々自然と向き合っている人は、会って少し話せばすぐにわかります。住んでいる場所は違っても、自然を大切にする気持ちは一緒で、森と海に向き合っていらっしゃる畠山さんだから、会って少し話しただけで打ち解けることができました」(金城さん)

一人ひとりが環境問題に向き合う。ほんの少しの意識で変えられることがあるはずなのだ。