男性の収入は「遺伝」でこれだけ決まるという「冷酷すぎる現実」

それでも私が楽観的でいられる理由
安藤 寿康 プロフィール

パーソナリティの遺伝

パーソナリティの遺伝率が30〜40%くらいなら、自分のパーソナリティをある程度とりつくろうこともできる。

ネクラな人でも、マクドナルドのレジに立って、お客様が来たら研修で教わったとおりにがんばって笑顔を作り、元気に「いらっしゃいませ~」と叫べば、それなりに明るく見える。そのとき多少ムリをしても、お客に見られない厨房に入れば、あるいは家に帰れば、ムリせずふだんどおりのネクラな自然の姿に戻る。

 

一方、生まれつき明るい人は、レジの前でも厨房でも家族の前でも明るい。その違いである。その人がマクドナルドのレジの仕事を日中ずっとさせられ、それを何年も続けることによって、パーソナリティが習い性となって明るくなるということは、おそらくない。

少なくともいつも明るい人が、生まれた時から明るく振舞わねばならない環境で育ったからそうなったわけではないことは、同時に生まれ同じ家庭で育った二卵性双生児の性格が、生まれてすぐに別々の家庭で育った二卵性双生児と同じくらいちがい、それとは反対に一卵性双生児は同じ家庭で育っても異なる家庭で育っても、同程度に似ていることからわかる。

もしそのネクラな人に生まれてすぐ引き離され、知らないままに別の町で育った一卵性のきょうだいがいたら、同じようにレジの前で作り笑いをしいていることだろう。

レジ打ちや厨房を仕切る知識は学習によって身につくが、社交性や勤勉性や神経質さといったパーソナリティは、学習された知識によって作り出されるものではないからだ。

それはおそらくドーパミンやセロトニンといった、その人の活動性や抑制性にかかわるような神経伝達物質が、それぞれの遺伝子のタイプに従って、どの程度の配分で調合されて脳の中で放出されているかの違いによる。