これらのデータが示すのは、女性が子供から大人へ成長していく過程で、未だに古いジェンダーロールを押し付けられる場面が様々あるという事実だけでなく、多くの女子が、それが古く差別的な価値観だと10代の時点で認識しているという事実だ。

このような事実と合わせると、女子が中学生以降にプリキュアに戻るという現象は、社会に横たわる不平等な現実を前にプリキュアが示す先進的な価値観に共感していると解釈できるのではないだろうか。もし意識的にせよ無意識的にせよ、この「現実に対する反動」が現象の一因であるなら、私たち大人が重く受け止めるべき事態である。

子供が「ガンダマは怖い」と言った意味

プリキュアの示す先進性の大きなポイントは、ここまで紹介してきたような新しいジェンダー観やダイバーシティの受容など時代に合った価値観を「世界に当り前に存在すべき価値観」としてポジティブに表現するという点だ。

先日、下の子と現在放送中の『スター☆トウィンクルプリキュア』(テレビ朝日系)を観ていたのだが、プリキュアが終わって次の仮面ライダーの放送が始まった途端に下の子が「わー、ガンダマ始まったー、変えてー」と騒ぎ始めた。

〔PHOTO〕番組公式サイトより

個人的に私はガンダムシリーズが好きでよく観ているのだが、下の子はガンダムや仮面ライダーなどいわゆる「男の子向け」とされる戦闘系の作品全般を「ガンダマ」というカテゴリとして分類し、抵抗感を抱いているのだ。

「プリキュアだってガンダマみたいに戦うのになんでガンダマだけ嫌なの?」と聞くと、「だって怖いから」との答えが返ってきた。まだ幼稚園生である子供のこの感覚はとても興味深い。