がん患者の全身治療と全身管理を行う腫瘍内科医

『アライブ がん専門医のカルテ』で、松下奈緒演じる主人公、恩田心は「オンコロ先生」と呼ばれている。それは、単に名前を短くしただけでなく、腫瘍内科医が“オンコロジスト”と言うわれることとひっかけている。オンコロジーとは、腫瘍学のことで、がんや肉腫など腫瘍の治療、研究する専門家だ。

松下奈緒が、総合病院勤務の腫瘍内科医を演じる。写真/フジテレビ

乳がん罹患者の私は、手術後に抗がん剤などを経験した。私自身もそうだったが、多くのがん経験者にとって、腫瘍内科医は、頼れる大きな存在だ。ただ、自分や家族ががんに罹患した経験がないと、がんの内科ってなに? と、その存在すら知らない人も多いだろう。

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腫瘍内科をひとことで説明するならば、“がんを総合的に扱う内科”です。がん治療では、手術をするのは外科医で、腫瘍内科医は抗がん剤(化学療法)などの薬物を投与する医師というふうにとらえる人も多いです。でも本当は、抗がん剤を扱うことだけではなく、一人一人の患者さんの体質やQOL(生活の質)全体をみながら、“その方に最も適した治療をコーディネートする”という役割りの方が大きいですね」(勝俣医師)

ドラマや映画などを見ていると、がんと告知→手術を行い→窮地を救い退院、と描かれることがある。が、手術だけで治せるものは一部の早期がん、ということをご存知だろうか。実際には、手術、放射線治療、薬物療法(これに最近は緩和ケアが加わる)があり、これはがんの三大治療(標準治療)と呼ばれている。

がん治療はこれらの組み合わせか、または単独で行われる。そのうち手術、放射線は「局所療法」といって腫瘍とその周辺部位をターゲットに治療をする。一方の抗がん剤をはじめとした薬物療法は、薬を体内へ投与することによって血液から全身に巡らせ、がんをたたく「全身療法」にあたる。今回のドラマの主人公や勝俣医師の腫瘍内科医はこの全身療法のスペシャリストといえるのだ。