〔PHOTO〕iStock

中国の若者たちが死に物狂いで働き続ける「凄まじい理由」

流行語「996」から考える

激変した中国人の働き方

それはまるで刑事ドラマのワンシーンのようだった。

北京のラジオ局で、クールジャパン紹介番組のMCをしていた私は、午前の収録を終え、簡単なお昼をすませてスタジオに戻った。

すると何か異様なかたまりが目に入る。録音機材が置かれた机の下だ。私は、ギャッと叫び声をあげた。人の頭だ。床に人間が転がっている!

うわ、事件か!と思った途端、足が動き、転がった人間がむくりと起き上がった。その日収録を手伝ってくれていたOJTの女子学生である。昼寝をしていたと言う。

〔PHOTO〕iStock
 

「昼ご飯のあとは昼寝しないと、午後の作業ができないから」

ベッドないし……ということで床に転がって寝ていたのである。2時間はたっぷり昼休みをとっていた国営企業時代の名残か。ほんの7、8年ほど前のことである。

長らく、中国人の仕事タイムはまさに“悠久なる時の流れ”の上にあった。通勤バスで8時頃会社に着き、その後ゆっくりとお茶を飲みながら新聞を読む。そして少し仕事。11時には昼休みで昼寝タイムを入れて約2時間。1時くらいから、少し仕事。(その間、近くの自由市場で野菜などを買うもOK)4時にはほとんど仕事を終える。

そんな社会主義的働き方が、ここ数年で大きく変わった。