日本人が知らない、フィンランドで「同性婚」が可能なワケ

市民が法律を変えた、その意味と可能性
岩竹 美加子 プロフィール

同性・別姓・複合姓・創姓という選択肢

結婚の手順であるが、教会での結婚、「シビル結婚」いずれの場合も、 まず結婚の障害となるものがないかを調べてもらう必要がある。未成年ではないか、重婚ではないか、近親婚ではないかが調査事項である。

「シビル結婚」の場合、この調査は地方登録事務所が行う。調査を依頼する際、結婚後の姓をどうするかを通知する。現在、フィンランドには同性、別姓、複合姓、創姓の4つの選択肢があるが(「結婚したら「新しい姓」を作れる?」参照)、通知しなかった場合は、それぞれが自分の姓を保持、別姓になる。つまり、夫婦別姓がデフォルトである。

障害がないと判断されると、証明書が出される。結婚式の日時を決め、証明書を持って2人で地方登録事務所、または地方裁判所に行く 。証人として、最低2人の15歳以上の人が同席する必要があるが、結婚式を進めるのは役人で、牧師はかかわらない。また、聖書のテキストが読まれることもない。指輪の交換は、してもしなくてもよい。

 

結婚式では、役人が次のような質問をする。

「証人が出席する中、お尋ねします。幸運の時も逆境の時も◯◯を愛し、配偶者としますか」

教会の結婚式では、牧師が「証人が出席する中」ではなく「神の前で」または、「全能の神の前で」と聞くが、「シビル結婚」では神は出てこない。この質問に対して、2人はそれぞれ「します (I do)」と答える。

結婚式は短く、数分程度。無料である。結婚式後、地方登録事務所、または地方裁判所が人口登録センターに結婚を通知し、それぞれの記録に追加される。

人口登録センターに登録されるのは、フィンランド市民及び、永住権を持つ外国人である。登録は一人ひとりについてなされる。

生まれたとき、あるいは永住権を得たときに、個人として登録され、社会保障番号(最初の6桁で生年月日がわかる)、出生地、現住所、国籍、母語、婚姻歴、配偶者名、過去に名乗っていた名前、過去の居住地の住所、子どもの生年月日と名前、所有する土地建物などが記録されていく。自分についての記録は、人口登録センターにログインして、ネット上で見ることができる。

「シビル結婚」は地方登録事務所、または地方裁判所の役人に来てもらって、自宅やその他、お気に入りの場所などですることもできる。通常の役所の業務時間外や土日でも良い。こうした場合は、3万円程度の料金を支払う。

「シビル結婚」の場合、上記の結婚のための手続きと流れは、異性婚、同性婚を問わず同じである。つまり、「シビル結婚」であれば、同性婚は問題ではない。