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日本人が知らない、フィンランドで「同性婚」が可能なワケ

市民が法律を変えた、その意味と可能性

知人に、女性の同性カップルがいる。教会での結婚式を望んだが、教会内では認められず、教会の入口の階段での結婚式になった。教会と同性カップルの話し合いと双方の妥協の結果、祭壇の前ではなく、入口の扉の前の階段で結婚式を挙げることになったのだ。扉は閉じられていた。2019年6月のことである。

フィンランドで婚姻法が改正され、同性婚が合法化されたのは、 2014年。しかし、反対運動が起きたため、実現は2017年になった。

改正前、結婚は男性と女性の同意による、とされていた婚姻法の条文は 、2人の合意によるものと改められた。結婚は、異性間か同性間か、性的指向は何かに関わりなく平等なものになった。改正後の結婚の条件は、18歳以上であること、未婚であること、近親婚ではないこと。18歳は、フィンランドで成人年齢である。

ただし現在、同性婚が可能なのは「シビル結婚」の場合である。フィンランドには、非宗教的な「シビル結婚」と、教会での宗教的な結婚の2つがある。現在、すべての教会で結婚式は可能になっておらず、同性婚を認める牧師がいる一方、認めない牧師もいて不統一である。

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フィンランドの結婚は2種類

フィンランドの結婚には2種類ある。 教会での結婚は宗教的で、牧師が式を司る礼拝である。普通、ウェディングドレス、タキシード、またはスーツの着用がある。

主要な宗教は、福音ルター派(プロテスタント)とフィンランド正教である。教会で結婚する場合は、少なくとも一方が、教区のメンバー(信者)であることが必要である。教区は 、個々の教会を中心として居住地域によって分けられた、布教活動のための区域である。

福音ルター派もフィンランド正教も、教区への加入と教区からの離脱は自由だが、メンバーは年々減少している。2018年は、人口の約70%が福音ルター派、約28%が無所属、フィンランド正教とその他の宗教は1〜2%という構成である。

一方、「シビル結婚」は宗教を持たない人のための、宗教的ではない簡略化された結婚で、地方登録事務所、地方裁判所、自宅、その他の場所で行うことができる。結婚式は地方登録事務所、または地方裁判所の役人がとり行うので、牧師はいない。服装はシンプルなことが多い。