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「半グレ」に憧れる若者たち…加速する半グレ狩りと反社をめぐる難題

反社とは誰か? あいまいな定義

2019年は吉本芸人の「闇営業」問題、政府の「反社会的勢力」の定義が困難である発言など、「反社」というワードが多用され、社会的にも注目が集まった。このことを受けて、読者の皆様も、漠然とした不安を知覚されたのではないだろうか。

府警による半グレ狩りの強化

年の瀬も押し迫った12月17日、「大阪半グレ集団アビス&拳月 相次ぐ逮捕で止まらぬ被害届」という日刊ゲンダイの記事が掲載された。

この記事によると、「大阪・ミナミを拠点とする半グレ集団「アビス」のリーダーで、「ミナミのヒトラー」こと菅野深海(21)と、ナンバー2で金庫番の野口直人(21)両被告(ともに暴力行為等処罰法違反罪で起訴)が先月27日、スナックで男性に殴る蹴るの暴行を加えたとして、傷害の疑いで再逮捕された。これでアビスのメンバーの逮捕者は延べ70人近くにのぼる」というのだ(日刊ゲンダイDEGITAL 12月17日)。

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さらに12月27日、「拳月ら4大勢力300人逮捕 大阪府警“半グレ狩り”加速の今後」という記事(日刊ゲンダイDEGITAL 12月27日)が追い打ちをかけた。

記事では、当局による半グレ狩り強化について次のように述べる。「大阪府警が『半グレ狩り』を加速させている。昨年1年間で200人余りだった逮捕者が今年は11月末時点ですでに300人を超え、12月分を合わせるとさらに増える。府警は今年9月3日、初の『半グレ対策会議』を開いた。府警本部や南署、曽根崎署の幹部ら約50人が出席し、石田高久本部長がハッパをかけた」と。

記事によると、この府警による半グレ狩り強化の背景には、昨年7月27日に放送されたNHKの番組「半グレ 反社会勢力の実像」があるという。

日刊ゲンダイは、警察関係者の声を以下のように紹介しており、この放送で「捜査員魂」に火が付き、半グレ狩り強化につながったとみる。

「事前に聞いとった番組内容とまったく違ったもんやから、ア然としたわ。あんな連中が、“若者の憧れの対象”みたいな番組を流されたら、『半グレになりたい』いう若者が出てきてもおかしない。公共の電波を使って、半グレのトップに好き放題、エラそうに言わしたらアカンわ。あれを見て腹を立てへん警察官なんて1人もおらへん。あれで捜査員魂に火が付いた。今後も徹底的にやっていくで」(捜査事情通)