米国・イラン激突危機…こんな時に自衛隊を「中東派遣」して大丈夫か

日本とイランが「交戦」の可能性もある
半田 滋 プロフィール

昨年12月に閣議決定した時点と現在では状況が異なり、今後、自衛隊の安全を脅かす危険が迫るのは確実だろう。本来なら派遣を見合わせるのが筋だが、安倍首相は6日の年頭記者会見で「情報収集のために自衛隊を中東へ派遣する」と断言、閣議決定に変更はないことを強調した。

むしろ、米国とイランとの対立が先鋭化すればするほど、安倍首相が自ら旗振り役となって強行成立させた安全保障関連法が首相の背中を押すことになり、対米支援へと突き進むのではないだろうか。

 

三度目の「米国の戦争」支持へ

もちろん日本政府には、米国による武力行使を支持しないという選択肢もある。

しかし、9・11米同時多発テロの発生後、「米国につくのか、テロリストにつくのか」とブッシュ米大統領に迫られた小泉純一郎政権は、テロ対策特別措置法を制定して海上自衛隊艦艇をインド洋へ派遣。9年間にわたり、米艦艇などへ無償で燃料を洋上補給し、米軍によるアフガニスタン攻撃を支えた。

次には「フセイン政権が大量破壊兵器を隠し持っている」とウソをついて米国が始めたイラク戦争で、小泉政権が世界に先駆けて米政府への支持を表明したところ、米側から「ブーツ・オン・ザ・グラウンド(陸上自衛隊を派遣せよ)」と迫られ、今度はイラク特別措置法を制定し、陸上自衛隊600人をイラクへ派遣した。

Photo by gettyimages

米国が引き起こした21世紀の戦争を、全面的に支援してきたのが日本政府なのだ。現に安倍首相は「日本は米国の武力行使に国際法上違法な武力行使として反対したことはありません」(2015年6月26日、衆院本会議)と述べている。

過去、米国の戦争に反対したことがないのだから、将来ともその方針を変えることはないだろう。わざわざ時限立法である特別措置法を制定してまで米国の戦争を支援したのが、日本政府である。次の戦争では、恒久法として制定した安全保障関連法を根拠として、三度目の対米支援に踏み切るのは確実ではないだろうか。