松屋vs吉野家、いま牛丼業界で「テイクアウト戦争」が激化してるワケ

外食産業で大切な3つのポイント
平野 和之 プロフィール

上記のような戦い方があるなかで、今は集客手法による競争優位を外食産業の各社が狙っている。

なかでも、キャンペーン——特にSNSでのキャンペーン告知は即効性が高い。また、大規模店舗ほど多くの店舗での集客につながるので、この戦略の恩恵をうけやすい。

これも先行した成功事例があれば、他社もすぐに取り入れるので、先手先手でやる必要性があるが、直近でいえば、かつやの100円割り引きチケットは、リピート率50%などと言われており、他社も多く取り入れるようになっている。

テイクアウト割り引きも、今後は徐々に増えてくると考えられるが、そうなると効果も限定的となっていく。「テイクアウト」集客手法も効果は下がり続けていくと想定されるが、現状としては、消費税、軽減税率というインパクトのなかテイクアウトを活用するのが吉と各社が想定しているのだろう。

松屋の「自販機」の導入は、最初はオフィス街ということだが、今後の展開が見込まれ、「個食」や「共働き」への訴求力が期待される。他社もすぐにマネできてしまうというのがこの業界の業績や成否の変動が大きい要因にもなっている。特許など知財戦略で、同業他社がマネできない集客ツールを独占しづらいことも、この業界の競争が結局「価格ありき」になりがちな理由でもある。

 

松屋の今後の成長

最後に松屋に注目し、今後同社がさらなる成長ができるかどうかを考えてみよう。現在、松屋はテイクアウトに力を入れているが、「喫茶」「アルコール」のテイクアウトの需要は喚起できるだろうか? もし対応できるようになれば、ドトールなどのマーケットを浸食できる余地は十二分にあるだろう。

また、メニューについては、牛丼業界で未だに実現されていない、「A級(=高級)グルメ」は、デフレマインドの中でもいずれまた起こる「節約疲れ」や、二極化消費における「たまにお金を使うならいいものを」という消費を取り込める可能性がある。

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