松屋vs吉野家、いま牛丼業界で「テイクアウト戦争」が激化してるワケ

外食産業で大切な3つのポイント
平野 和之 プロフィール

消費増税というインパクト

ここで、外食産業の市場状況について確認してみよう。
 
7年にわたって続くアベノミクスは「インフレ」を目指す政策だが、そもそもインフレという環境は、ファストフードという業態にとっては逆風となる。賃料上昇、人件費上昇は、安さがウリのファストフードにとって価格競争におけるデメリットとなるし、一方で株高などの「資産インフレ」によって懐事情に余裕が出てきた客を高級飲食店に奪われるケースが多かった。

〔PHOTO〕iStock
 

しかしながら、二回の消費増税のダメージは予想以上に大きかった。

消費税は10月1日に10%へと引き上げられたわけだが、まず今回は思いのほか駆け込み需要が少なかった。その理由は、(1)そもそも景気が悪く駆け込む体力がない、(2)増税対策の軽減税率、ポイントバックなど個人消費喚起策もうたれており、前倒しする必要性がないと消費者が判断している、という2点が考えられる。

ともあれ、そのダメージは甚大だ。総務省が12月6日は発表した家計調査によると、10月はなんと前年同月比で5.1%も減ったのである。これは、前回の増税時(2014年4月)の減少を上回る数字だ。前回の増税の際には、消費税率が3%上がると個人消費を10%も押し下げる効果があるのか、と世界中から驚きの声があったが、今回も同じことが起きているのだ。

消費者の極めて「近い」場所にいる外食産業は、良きにつけ悪しきにつけ、最も消費増税の影響を受けやすいと言われてきた。実際に、牛丼業界の様子を見ればわかる通り、早くもその影響がはっきりと現れ始めているというわけだ。

デフレマインドが強まっている——誰もが理解できる状況だ。

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