死ぬより苦しい「肺炎」のすべて…冬場のいまが一番危ない

「インフルエンザから肺炎」のケースも
週刊現代 プロフィール

溺れるような苦しみ

「3ヵ月前のある夜のことです。自宅でゆっくり本を読もうとしたのですが、なんとなく頭がぼおっとして本の内容に集中できない。

そうこうするうちに、だんだん息苦しくなってきたので、これはおかしいぞと立ち上がって上の階にいる妻を呼びに行こうとしたら、ひどいめまいがして階段も昇れない。

これまでも、息苦しさを感じることはありましたが、落ち着いて楽な姿勢でじっとしていれば、すぐに治った。しかし、このときは違いました。

息は吸っているのに、酸素が肺に入ってこないようで、吸い込もうとすればするほど息苦しさが募っていく。まるで水の中で溺れているようでした」

こう語るのは栗原浩一郎さん(72歳、仮名)。栗原さんは息苦しさを抱えたままタクシーで近くの総合病院の救急にかけつけ、酸素マスクをつけてもらって初めて発作が治まった。

 

「このとき病院の先生に指摘されて初めて、自分の肺に疾患があるということに気が付きました。COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気です」

COPDは長年の喫煙などによって、気管支の壁が腫れたり、肺の弾力性が失われたりする病気。正確にはそれ自体は肺炎ではないが、肺炎の前段階といってもよい危険な状態だ。医師の竜崇正氏が解説する。

「肺炎死でいちばん多いのはCOPDから肺炎になるパターンです。肺炎で亡くなるときは、当然のことながら息苦しいのですが、とりわけCOPDから肺炎になった人が味わう苦しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。患者さんの中には、『いっそ殺してくれ』と口走る人もいるほどです」

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