日本人の死因に「肺炎」が増えている…がんや心臓病より恐ろしい実態

著名人も肺炎で亡くなっている
週刊現代 プロフィール

高齢者が肺炎で簡単に亡くなってしまうもうひとつの理由が、肺炎になっても気づきにくい、ということだ。

若い人の場合、肺炎を起こすとすぐに高熱が出て、風邪のような症状が現れるので、異変に気がつきやすい。

ところが、歳を重ねるごとにそうした反応が体に現れづらくなり、肺炎を起こしていることに本人が気づかないことが多くなるという。

 

医師の小倉高志氏が説明する。

「高齢者では、肺炎になっても無熱性肺炎(熱が出ない肺炎)であることも多い。さらに、食欲低下やなんとなく元気がないなどの症状はあるけれど、咳など呼吸器の症状が出ない場合もあり、結果、肺炎の発見が遅れることがあります。

発見が遅れることがあるうえ、肺炎が短期間で重症化しやすいことが、肺炎で亡くなる高齢者が多い理由の一つです」

熱はないけどなんだか息苦しい、食欲がない、といった場合、肺炎を疑ってみたほうがいい。さもなければ、気づかぬうちに肺炎が悪化してしまうことになりかねない。長い人生の最後が肺炎であっけなく終わるのは、あまりに切ない。

病院に行ったばかりに…

まったく肺炎の症状がなかったのに、病院に行ってしまったがために肺炎になることがある。

平塚市に住む大澤敏夫さん(45歳、仮名)は、父親が入院中に肺炎になったときのことを、こう振り返る。

「75歳の父は、心臓が弱く、日ごろから息切れがすると訴えていました。病院に連れて行ったところ、心臓の血管が詰まっていることがわかり、簡単な手術をすることになって、1週間程度入院したのです。

手術も無事に終わり、まもなく退院というころに、急にひどい発熱を起こしました。検査の結果は肺炎でした。

幸いにして父はその後少し入院期間が延びただけで無事に退院しましたが、本人も『心臓の病気で入院したのに、まさか肺炎になるとは……』と驚いていました」