Photo by iStock

日本人の死因に「肺炎」が増えている…がんや心臓病より恐ろしい実態

著名人も肺炎で亡くなっている

身近な病気なのに意外とその怖さが知られていない。高熱が出る、食欲がなくなる、だけではない。「これぐらい大丈夫だろう」と放っておけばあっという間に死につながる。それが肺炎の怖さだ。

 

がん、心臓病でも「死因は肺炎」の理由

厚生労働省が'18年に公表した「人口動態統計月報年計」によると、いま、日本では13人に1人が肺炎で亡くなっているという。

肺炎は日本人にとってがん、心臓病、脳の病気に次ぐ身近な死因のひとつだが、実は「がんで入院していたのに、最後は肺炎で亡くなった」「心臓の治療を受けている最中に、結局肺炎で死んでしまった」という人は少なくない。

大病を患っていた人が、その病が原因ではなく、最後は肺炎で亡くなってしまうのは一体なぜか。

ひとつには、がんや心臓病の治療や手術を受けるなかで、肺炎にかかってしまうことが挙げられる。神奈川県立循環器呼吸器病センター・呼吸器内科部長の小倉高志氏が説明する。

Photo by iStock

「抗がん剤治療やがんの手術を受けたりしたあと、体力ががくんと低下してしまいます。そうなると、細菌に対する体の抵抗力がなくなってしまい、肺炎にかかりやすくなります。

高齢者が肺炎になると、短い時間で症状が急速に悪化して、最悪の場合、死に至ることがあります。その結果、がんや心臓病そのものによってではなく、肺炎によって亡くなってしまうということが起こるのです」

手術の前であっても、がん患者はそうでない人と比べて体力や抵抗力が格段に落ちているため、余計に肺炎になりやすい。

「がんになると、がん細胞から体の免疫を低下させる物質が出て、ウイルスや細菌などに感染しやすくなります。

健康であれば肺炎の原因とはならないような弱い細菌でも、弱った体ではそれらを追い出すことができない。その結果、肺炎になってしまうのです」(九十九里ホーム病院院長の田中方士氏)