「エンパワメント」の意味を知っていますか?

最近よく耳にする「エンパワメント(empowerment)」という言葉。あなたはこの言葉を、どのように捉えているだろうか。

先日、私はSDGsに関してできるだけ公的な日本語訳を知りたくて、日本政府から出ている資料を調べていた。「SDGs」とは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことだ。

“誰一人取り残さない”をキーワードに、環境、ジェンダー、平和など広範にわたって掲げている17の目標で、2030年までに達成するために、国連が中心となり世界全体で取り組んでいる目標として、日本でも浸透し始めている。「FRaU」の雑誌でも2018年12月に女性誌で初めて1冊丸ごとSDGs特集号を出した。

その5つ目のジェンダーの項目の目標に、「エンパワメント」は登場する。

原文は、こうだ。
Achieve gender equality and empower all women and girls.
それが外務省の『持続可能な開発のための2030アジェンダ』では、「ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う」となっていた。エンパワメントは、「能力強化」とのみ訳されている。

私は今、この訳を目の前にし、違和感でいっぱいになってしまったのだ。私はこれまで、カナダ、ケニア、フィンランド、スウェーデンなど様々な国で開催されたジェンダーに関する学会や会議に参加してきた。そういった会議の現場で、エンパワメントという言葉を聞かないことはまずない。むしろこの言葉は、常に議論の中心にあり、それ抜きに現在も未来も語ることはできない、重要な言葉として扱われている。

2019年11月、ナイロビであった『国際人口開発会議(ICPD)』でも、エンパワーメントは重要な言葉だった。写真/福田和子

SDGsが政府や企業にとって欠かせない目標となっている今、この言葉を正しく理解することは、政府や企業を含めた様々なレベルにおいて、今後の道筋を立てるためにも欠かせないことであり、理解が間違っていたら、それは大変なことになってしまうに違いない。

しかし、すでに「大変なこと」は起きているのではないかと、私は感じている。