中国は本当に特殊なのか? 揺らぐ「民主主義と市場経済」の優位性

ビッグデータが突きつける先進社会の姿
野口 悠紀雄 プロフィール

ビッグデータという新しい問題

なぜこのようなことになったのだろうか? それは、ビックデータの性質に起因する面が強い。

IT革命が始まった頃、これによって社会がフラット化すると考えられた。

それまでの大型コンピューターからPCになったので、個人でもコンピュータを使えるようになった。また、インターネットは、世界規模での通信をほとんどゼロのコストで可能にするものであった。このため、大企業の相対的な地位が低下し、個人や小企業の地位が向上すると考えられたのだ。

 

しかし、実際には、利益がGAFAなどの一部の企業に集中している。これは、ビックデータを扱えるのが大企業だけだからだ。

ビックデータとは、SNSの利用経歴などを蓄積して、そこからAI(人工知能)の機械学習のために蓄積された膨大なデータだ。これによって、プロファイリングなどを行なう。

個々のデータを取ってみればほとんど価値がないが、それが膨大な量集まれば、そこから経済的な価値を引出すことができる。

このようなことは、個人ではできない。GAFAのような巨大なプラットフォーム企業において初めて可能なことである。このために、GAFAが利益を独占したのだ。