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北朝鮮・金正恩は異例の「年末4日連続会議」で何がしたかったのか

言葉は激しかったものの…

金正恩「国政参加10年」の節目に

北朝鮮は1日、平壌で開かれていた朝鮮労働党中央委員会第7期第5回総会の結果を公表した。

朝鮮中央通信によれば、金正恩(キム・ジョンウン)氏は「世界は遠からず、朝鮮が保有することになる新たな戦略兵器を目撃することになる」と予告し、「米国が朝米対話を不純な目的の実現に悪用することを絶対に許さず、わが人民が受けた苦痛と抑制された発展の代価をきれいに受け取るための衝撃的な実際行動に移るだろう」と述べた。

 

この意図については既に、昨年12月23日付の筆者記事「北朝鮮が企てる『悪夢のクリスマスプレゼント』」でご紹介したとおりだ。すなわち、「新たな戦略兵器」とは固体燃料を使った新型ICBMを、「衝撃的な実際行動」とは、豊渓里(プンゲリ)核実験場や東倉里(トンチャンリ)長距離ミサイル発射実験場、寧辺(ニョンビョン)核関連施設での核・ミサイル開発活動を意味していると、日米韓の情報当局はすでに分析している。

一方で金正恩氏は「ICBM」という言葉も使わなかったし、「発射」という表現も行動を起こす時期についても言及しなかった。ただ、「遠からず、戦略兵器を目撃する」と言っただけだ。新型の固体燃料型ICBMを、10月10日に盛大に行うとした朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードでお披露目するという意味かもしれない。いずれにしても、米朝協議の完全な破綻は避けた格好だ。

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それにしても、金正恩氏はなぜ、いつもなら1年間の総括作業を行っている12月に、しかも年末の4日間を使い、朝鮮労働党中央委員会総会を開いたのだろうか。

私たちは、金正恩氏が昨年4月の最高人民会議で「年末まで米国の行方を見守る」と語ったため、てっきりこの労働党中央委総会が、新しい対米路線を決める会議を意味するものだと思い込んできた。

だが、ふたを開けてみれば、党中央委総会の議題は、「我々の当面する闘争方向について」として、対米関係だけではなく党の組織問題や経済建設にも及んだ。また、党や内閣の人事、党創建75周年の行事の進め方なども、議題に加わった。米朝関係についての言及はもちろんあったが、それは北朝鮮が直面している国家安全保障の問題の一側面として扱ったにすぎない。

長く北朝鮮問題に携わった韓国政府の元高官は「2019年は、金正恩が実質的に国政に参加して10年の節目だ。この機会に、自分の業績の総括をしたかったのではないか」と語る。