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出生数低下・人口減少を止めたいなら、給料払って社会保険料下げろ!

戦後データでみる給与・社会保険・金利

こうなることは分かっていた

先日、日本の出生数がついに90万人を割って大きな話題になりました。

★出生数86万人に急減、初の90万人割れ 19年推計(日本経済新聞 2019/12/24)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53727740U9A221C1MM8000/

とはいえ、これは、「明日降水確率が100%」という予想が出ていたところに「雨が降った」と報じているようなものです。

これまでの出生数減少の流れの中で、いずれ90万人を割り込むことがわかっていました。もし来年多少増加したとしても、長期での減少トレンドは変わりません。そもそも子供を生む世代は昔より減少し、さらに出生率が低下しているのですから、当然の結果です。

そしてもう、日本の人口は回復不能、ポイント・オブ・ノーリターンを超えており、これからはこんな出生数の変化に一喜一憂している場合ではなく、人口減少を前提とした社会運営をしなくてはならないというところまで追い詰められているのです。

 

それよりも「なぜそうなったのか?」ということに全く触れない報道にも疑問があります。

現在の日本社会は、本来であれば結婚し、子育てをする世代にどんどん負担ばかり押し付けているのです。給料は上がらず、むしろ下がり気味で、かつ「失われた30年」とも言われる経済的には挫折ばかりの平成を生きてきた世代。そんな人たちが結婚し、子供を生んで育てるために使うはずのわずかなお金さえも、うなぎのぼりの社会保険料などを通じて高齢者に回ってしまい、消えて終わっているのです。

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そもそも日本社会は、団塊ジュニアというある意味人口減少最後の砦だったボリュームゾーンを、非正規雇用や社会保険料負担でさんざん叩きまくってしまったのです。さらに共働きが基本になっている社会なのに、かつての専業主婦家庭前提のような長時間労働を皆に強いて、婚期は遅れ、未だに育休をとるとらないに文句をいう高齢者がたくさんいたら、結婚しても出産しない人が増加するのは当然でしょう。

もし1990年代にちゃんとした子育て政策を展開していれば、と思いますが、時既に遅しです。

今から何をやっても出生数は増えません。それでも生涯結婚しない人は非難され、結婚しても出産しないと非難され、かと言って未婚出産もまた非難される。金はむしり取られて、さらに非難されるのですからやっていられません。もはや現代の若者たちに出口なし。その結果が今なのです。

30年間も平均給与のあがらない国で、社会保険料はぐんぐんあがり、手取り額が下がっている昨今、どうして若者に、将来の希望をもって早めに結婚して子供を生み育てろといえるのか、考えほしいものです。

そんな中で、少子化対策みたいな話で、地方に若者を移住させれば出生率が改善するだとかいった愚かな政策を行ったり、意味不明な政策を展開するわけです。

企業はまともな給料を払え! 高齢者の資産家は同じ高齢者を支援しろ! そして社会保障費は子供に向けた予算に徹しろ! 経済成長路線は大切だから、生産性の低い産業部門、企業はさっさと撤退させればよいものを、妙な補助金で支えたり、外国人労働者を入れて無理やりゾンビ企業を延命させるのをやめろ!

と吠えてみたところで、物事は変わらず、未だに過去の価値観を押し付けて、子供を生むのはあたりめーだくらいの話をしている爺たちが亡国の政策を進めているわけです。戦時下の竹槍だの特攻だのと同じで、若者を酷使して、どうにもならない結果を若者の責任だといって押し付けていくのです。結果、結局は年寄りはいずれ死ぬので、若者たちが負うことになるのです。

それではどうして、上の世代の人々は無邪気なまでに現代感覚が乏しいのか。それは戦後の良い時代を経験した世代と、平成以降の世代とでは生きている国が違うといっていいくらいに経済前提などが全く異なるからです。

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