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# 韓国

韓国経済の屋台骨「サムスン」を襲い始めた「意外なリスク」

一見、底を打ったように見えるが…

足許、韓国最大の企業であるサムスン電子の業績は、ある意味、韓国経済の命運を握っているといっても過言ではないだろう。

そのサムスン電子の株価は、足元で回復基調を辿っている。

その背景の一つには、世界的な5G通信普及に伴う半導体事業の回復期待がある。

それと同時に、シリコンサイクルがボトムを打って上昇基調に戻るとの観測が出ている。

目先、同社の半導体事業の業績が持ち直す可能性はある。

 
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ただ、それがどの程度本格的な業績の回復につながるかが見通しづらい。

米中の貿易交渉の行方が見えにくいことに加えて、無労組経営を貫いてきたサムスン電子で本格的な労組が結成されたことがある。

現在、韓国国内では、左派系の文大統領の政策もあり労働争議が頻発している。

それが韓国企業にどの程度のマイナスの要因になるか読みにくい部分もある。

ここに来て、主要金融機関が一部店舗の閉鎖に動くなど、韓国経済の先行きに心配な要素は山積している。

“逆張り”の投資戦略で成長遂げたサムスン電子

過去、サムスン電子は保守派政権のバックアップを取り付け、世界の半導体市況が悪化し、自社の収益も減少する中で、あえて大規模に設備投資を行った。

目的は、後々の市況反転をとらえて低価格戦略を推し進め、本格的な業績回復を目指すためだった。

この“逆張り”の投資戦略によって同社は世界的なシェアを伸ばし、韓国経済の安定にも大きく寄与してきた。

2016年から2017年まで、データセンターの建設増加などを受けて世界的にメモリ需要が大きく伸び、半導体市況はかなりの活況を呈した。

2018年半ば、市況は悪化に転じ、2019年夏場ごろから徐々に価格は下げ止まりの兆しが出始めている。

先行きを警戒するIT企業が目立つ一方、秋頃からサムスン電子は市況の反転に備え、設備投資を積み増し始めた。

足許、5G関連のスマホ向けメモリ需要の拡大などを追い風に、世界の半導体市況の底打ちを期待する市場参加者は増えつつある。

一部には、2020年から2021年にかけて、かなりの需要の伸びが期待できると考え、サムスン電子など韓国半導体産業に強気な見方を示す者もいる。

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米国でも半導体関連企業の業績期待は徐々に高まりつつあるようだ。

これは他社が設備投資に慎重になる中で生産能力を増強してきたサムスン電子にとって、まさに待ち望んだ展開だ。

5G関連の需要が支えとなり、短期的に同社の半導体事業が幾分か持ち直す可能性はある。

一方、やや長めの目線で考えた時、同社が逆張りの投資戦略を通して業績の本格回復を目指すことができるか否か、判断が難しい部分も多い。

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