世界の中心へ!井上尚弥の父が語る❝自分にしかできないこと❞

世界を制するために必要なこと(後篇)
井上 真吾

誰とでも付き合うわけではない

 

――お父さんには、そういう、祭り上げてくれる人はいないんですか?

真 いやー、最近、自分もー、ちょっと勘違いモードに入っていて・・・・・・なんてことはないですよ!(きっぱり)

だいたい、自分を上げたって、しょうがないじゃないですか(と笑う)。お付き合いも、誰とでもするわけではないので。自分もけっこう難しい性格だから、誰とでも気軽にお付き合いができるタイプでもないんで。

気持ちが合う人じゃないと、飲みに誘われても行かない。共感できる人とじゃないと、話も面白くないじゃないですか。言い合いして飲んでもしょうがないし、と言っておだて上げられるのも「なんで?」って気持ち悪いし。女の子のいるお店に連れて行かれて、お店の子に「この人は、あの井上尚弥のお父さんなんだよ」とか、そういうの、いらないですから。

――女の子のいるお店は好きじゃない?

真 ええ、自分からは行かないです。誘われて行くことはあっても。

――奥さんにも叱られるでしょうしね。

真 叱られはしないですよ、そんなの別にー。

でも、もう面も割れてるし、そういうお店に行ってもはしゃげないから楽しくない。それより、赤提灯で仕事の話をしている方がずっといい。

――そもそも、ちやほやされるのがあまり好きじゃない?

真 ちやほやって・・・・・・自分、タレントでも何でもないんで、そもそもそんなことがないですから。

――でも、「あの井上尚弥のお父さん!」というようなことを言われると、中には気持ちがいいという人もいると思うのですが。

真 いやー、それはむしろ、いやですねえ。自分なんかは全然。

厳しい世界で勝ち抜くために

――やっぱり、お子さん二人とトレーニングしている時が一番楽しい?

真 楽しいというより、この世界に入って上を目指してるんだから、これは仕事なんですよ。

――「楽しい」とは違う? 最近スポーツ界では、「つらいけど、そのつらさも楽しむ」という意味で、英語の「エンジョイ」という言葉がよく使われるようですが。

真 いやいやいや。勝負は厳しいですから。トレーニングもきつくて苦しい。いつも限界ギリギリのところでやってるから、エンジョイ=楽しいなんて感覚は全くないです。

――とすると、もうこれは愚問なんですけど、そんなに苦しい思いをして、なんでやってるんですか?

真 (怪訝そうに)え? もちろん、強くなりたいからですよ! ただそのため。

――それは、尚さん、拓さん、お父さん、3人とも同じ気持ち?

真 同じですね。とにかく強くなりたい一心。それでこれまでやってきた。

ボクシングが好きだから強くなりたい、それだけです。勉強ができるんだったら、やっぱり東大を目指すでしょう? それと同じで、まだ上があるのならそこまで、一番高いところまで行きたい。

ボクシングを極めたい。

――それで、周りの評価には興味がない?

真 興味がないことはないです。自分たちがやってきた結果に対する評価はやっぱり気になりますから。評価してもらえたらうれしいし、素直にその賞賛は受け取りたい。