井上尚弥の父が語った…ドネア戦で見えた、その強さを支えるもの

世界を制するために必要なこと(前篇)
井上 真吾

あのラウンドでボディーブローを出したワケ

――そして11ラウンド、ついに尚弥選手がボディーでダウンを取ります。

あれ、レフリーってどうなんでしょう? 尚弥さんが追撃しようとすると、間に割って入って邪魔したし、カウントもロングカウントでした。タイムキーパーはすでに「3」まで数えていて、レフリーにも指で「3」と示していたのに、また「1」から数え始めたでしょう?

真 もう、しっちゃかめっちゃかですよ。

 

――怒ったりはしなかった? また前回のロドリゲス戦でダウンを奪った時のように、エプロンを「バン、バン、バン」とか?

真 いや、そんなことはないです。あれはもう、仕方がない。ただ、「レフリー、ちゃんと仕事しろよー」とは思いましたけど(苦笑)。

――あのラウンドになって、尚弥さんは、ほとんど初めてボディーブローを出しました。あれは作戦? ボディーは温存しておくという。

真 いや、もっと出したかったけど、やっぱりドネアがうまいんで。下手に出すと合わせられるので、なかなか出しづらかったようです。あそこまで回が進んで、ドネアもダメージと疲れでちょっとボクシングが雑になってきて、ようやくボディーを打てる距離まで入れた。

ボディーは狙って打つより、流れの中で打った方がいいんです。打つ時にはガードを開けざるを得ないので、狙って打つと相手にもわかって、右でカウンターを合わされる。
ドネアというと、みんな左フックと言いますけど、自分は公開練習の時から右も怖いと思っていて、記者さんたちにもそう言っていました。

自然と距離が近づいたのでボディーも打てた。

後篇は1月8日に公開予定!