井上尚弥の父が語った…ドネア戦で見えた、その強さを支えるもの

世界を制するために必要なこと(前篇)
井上 真吾

――あの左フックは、ドネアの生涯最高のパンチだったのではないでしょうか。フェルナンド・モンティエルを衝撃KOした時よりも、パンチとして強かったのでは?

真 そうですねえ・・・・・・。あの一撃で、切って、それだけでなく眼窩底骨折までしてしまった。そうとうに強いパンチだったことは確かです。

ただ、尚的には、ぶっ倒される、というまでの衝撃はなかったそうです。

だから結果的に尚のタフさ、打たれ強さも見せられたかなと思います。

11月7日撮影・photo by GettyImages

フィジカル以上に大切なのはメンタルである

――そのタフさはどこから来るのでしょう? 首とか体幹を鍛えているからでしょうか?

真 フィジカルもそうですけど、やっぱりメンタルですよ。絶対に倒れないという気持ち。血も、アドレナリンが出れば止まるという話がありますよね。科学的にどうなのかはわかりませんが、今回の尚を見て、確かにあるのかなと思いました。

もちろん、血が止まったのは、カットマンの佐久間さんの力が一番大きかったのですが。

 

――2ラウンドが終わってコーナーに戻ってきた時には、「目が見えない」と尚さんはおっしゃったのですか?

真 確かその時には言ってなくて、3ラウンドが終わった時に「ちょっと目が・・・・・・」と言ったように記憶しています。

――2ラウンドが終わってコーナーに帰ってきたときには、どんな感じだったのですか?

真 (やや声を潜めて)けっこう・・・・・・なにげに、あまり覚えてないんです。

――覚えてない?

真 ええ。こっちも感情的になったというか、焦りもあるじゃないですか。

――やっぱり焦りはあった。

真 それはありましたよお! 戻ってきたらもう「ぱっくり」ですから。