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「ジョージア」のCMで起きた「ジェンダーの描かれ方」の大転換

日本のCMに起きている変化

缶コーヒーは「男の飲み物」?

缶コーヒーが苦手だ。特にブラックの缶コーヒーが。

コーヒーが嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。ただ、缶コーヒーはどうも「男の飲み物」という感じがして、「男らしさ」を自分が体現することに抵抗のある私としてはなかなか買おうと思えない。数年前に一人で牛丼屋に入れるようになった私にも、なぜだか缶コーヒーはまだまだハードルが高い。かりに買うとしても、ミルクと砂糖がたっぷりと入ったカフェオレやカフェラテくらい。

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この文章を読んでいる人の多くも、なんとなく缶コーヒーは男の飲み物だ、というイメージを持っているだろう。では、なぜわたしたちは、缶コーヒーは「男の飲み物」だと感じるのだろうか? そのメカニズムの重要な一要素として、テレビCMをはじめとする宣伝広告を挙げることができる。そこで、テレビCMを通じて「缶コーヒーは男性が飲むもの」というイメージが人々に浸透している、というこの単純な話からはじめてみたい。

 

少し古い例からたどってみよう。缶コーヒー「GEORGIA」の2000年のCMでは、ウルフルズの「明日があるさ」のカバーバージョンが流れていた。歌詞は働く男性のひとり語りに書き換えられており、浜田雅功を筆頭に吉本興業所属の芸人(ほとんどが男性)がサラリーマン役で出演しているのも印象的だ。そこでは、男性、正確にはサラリーマンが飲むものとしての缶コーヒーのイメージが強く打ち出されている。

最近の「GEORGIA」のCMでは、サラリーマンだけでなく工事現場の作業員やタクシー運転手、海の家の店員など、さまざまな「働く男」を演じる山田孝之が大活躍している(ほんとうに最近の「GEORGIA」のCMはそれだけじゃないぞ、と言いたい読者のみなさん、もう少しお待ちください。あとで触れます)。