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# 労働問題

年越し派遣村から約10年…いま「ネトウヨ」と呼ばれる男の過酷人生

ビニールテントの中の孤独

年越し派遣村騒動から約10年が経ったのに…

「年越し派遣村」のことを覚えているだろうか。

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08年の9月15日のリーマンショックからわずか3ヵ月弱のことだった。日本企業はいっせいに派遣切りに走り、特に寮生活を送っていた製造業の非正規社員たちは、住む家も失った。筆者が出張で訪れたJR名古屋駅で、まだ20代と思しき若者が、自販機のつり銭受けに手を入れている姿を目撃したのもちょうど08年の年末だった。

職を失った人たちが日比谷公園に集まった「年越し派遣村」から約10年。時代は変わって令和になった。当時、怒りに震えて、失意に打ちひしがれた彼ら、彼女らはあれからどうしているのだろうか。

「いま僕はネトウヨと呼ばれています。正直、心外ですけどね」

東京・池袋の居酒屋で数年ぶりに再会した男は開口一番、こう語った。筆者は約12年前、非正規雇用の労働問題をよく取材していたのだが、その時に知り合ったのが彼だった。彼は当時、パナソニックを相手に労働争議を戦っていた。

 

今年、46歳となる岡田正雄(仮名)はいま、機械関係の仕事をしている。12年前もそうだったように、いまも非正規社員である。

岡田のツイッターには、ストレートな「怒り」がぶつけられていることが多い。いまは韓国の文在寅政権や、あいちトリエンナーレ、東京新聞の望月衣塑子記者を批判する保守系を名乗るネット媒体やオピニオンリーダーの発言を好んでリツイートしている。

岡田が「ネトウヨ」と呼ばれるほど、排外的な思想を持ち合わせているとは筆者は思わないが、こうした言説がいまの岡田の目に映る社会問題なのだろう。

岡田は言う。

「10年前の社会問題は〝派遣切り″でしたが、いまの日本が抱える社会問題は韓国や中国の横暴と、それを制止できないリベラル勢力の存在です。とくに最近は中国や韓国の問題をネット上で調べることが多くなりました」(以下、断りのない発言は岡田)