派遣される護衛艦「たかなみ」(海上自衛隊公式サイトより)

自衛隊の中東派遣は、実質「多国籍軍への参加」ではないか?

本来、必要ないはずなのに…

準備不足のまま年を越す自衛隊

政府は27日、中東への自衛隊派遣を閣議決定した。アフリカ沖アデン湾の海賊対処のため来年1月11日に出国するP3C哨戒機2機がジブチの海上自衛隊基地に到着次第、あらたに情報収集の任務を開始する。これとは別に護衛艦「たかなみ」は1月下旬に日本を出航し、2月下旬から情報収集の任務に就く。

派遣の根拠は防衛省設置法の「調査・研究」。以前「現代ビジネス」で指摘した通り、日本船舶や外国船舶が目の前で襲撃されていても、何もできない「お地蔵さん状態」だ(2019年10月30日、「自衛隊は『調査・研究』のために中東へ行く?日本政府の奇妙な論理」)。

P3C哨戒機(海上自衛隊公式サイトより)

伝統的に良好なイランとの関係を壊したくないため、米国主導の「有志連合」には加わらないものの、トランプ米大統領の顔は立てなければならないという二律背反におかれた、日本の立場を反映した中途半端な「政略派遣」である。

「調査・研究」による派遣は防衛相の命令だけで実施可能であるにもかかわらず、閣議決定に持ち込み、定める必要のない派遣期間を1年と定め、期間延長する場合は国会報告するとこれまた必要のない国会報告を義務づけた。

これらの措置は安倍晋三政権の「後ろめたさ」の裏返しにほかならない。

 

本当に派遣が必要というならば、特別措置法案を国会に提出し、堂々と野党との論戦に臨むべきだった。野党の追及を逃れ続けた安倍政権らしいといえば、らしい派遣といえるかもしれない。

安倍首相は、一度はトランプ氏に請け負ったものの、結局、米国とイランとの間の橋渡し役ができなかった。その穴埋めが今回の自衛隊派遣だ。「外交の安倍」に丸投げされた自衛隊は準備不足のまま年を越し、あたふたと出国を強いられる。