山口組、高山若頭が年末の会合で配った「意外な手土産」の意味

これは「再統一」への狼煙か
時任 兼作 プロフィール

しかし、鉄心会はもちろん猛反発。そこで、弘道会が一気に動いた。1991年1月のことだ。わずか数日の間に鉄心会の組員や会長宅を襲撃し、さらには同会のフロント企業(関係会社)の社員まで銃殺した。

あまりの事態に、中京五社会の有力組織が両者の間に立って早々に和解させたが、これを機に中京五社会は崩壊した。鉄心会こそ山口組の軍門に下らなかったものの、瀬戸一家、平井一家は直参(2次団体)に、ほかは弘道会傘下に入ったのである。

 

「再統一」への宣言か

それにしても、なぜこの作品の配布が「象徴的」とされるのだろうか。前出の警察幹部が語る。

「いまの状況を、この『名古屋統一』の歴史に置き換えているからだ。流血の事態をも辞さずに断固戦い、『再統一』を来年こそは実現するという宣言、訓示のようなものだ。新たな宣戦布告でもある。引退などで済ます気はないわけだ」

となると、今後も壮絶な抗争が続くのか。

「徹底的にやるつもりだろう。だが、神戸山口組にはもう受けて立つ気力も体力もない。そこで、いま模索されているのが、別の平和的な決着。神戸山口組自体を解散してしまえばいいのではないかという話も出始めている。

確かにこれは、抜け道のひとつだ。抗争激化を避ける名目で、警察に協力する形で解散届を出してしまえば、高山も手が出しにくくなる。解散後、引退してカタギ(一般人)になれば、ましてのことだ。言うなれば、警察を弾除けにするわけだ」

とは言うものの、これまで数年間にわたって山口組に対抗してきた組織がそれほど簡単に旗を降ろすものなのか。実際、「(神戸山口組組長の)井上は解散しないと言っている」「(神戸山口組傘下の組織が)個々に引退なり、解散なりを検討し始めた」といった情報もある。2020年も波乱含みの様子だ。