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マンションを高く売るなら、査定に群がる不動産会社の実情を知ろう

業者ナシでマンション売却体験記(2)
 

「売り物件求むチラシ」は参考になるか?

不動産仲介業者を通さずに、中古マンションの所有者が直接インターネットで物件を公開して売り出せるサービス「セルフ売却」。我が国IT業界の巨人、あのヤフーが運営している上に、売買成約時の売主側仲介手数料が不要という売主にとって揺るぎないメリットが特徴である。

これだけ聞くと鬼に金棒ではないかと思ってしまいそうだが、実はそうでもない。

「ヤフオク」と比べてみればわかるが、このヤフーが運営する、「セルフ売却」を含む不動産取引プラットフォームサイト「おうちダイレクト」自体、とても同じ会社がやっているとは思えないほど認知度が低い。これは、筆者の売却活動に関わった担当者も認めていた。サービス内容が画期的なだけに非常に残念なことである。

実は、筆者もいまでこそこんな原稿を書いているが、正直に白状すると、自宅マンションの売却を考え始めた当初は、その存在をまったく知る由もなかった。

そこで本稿では「セルフ売却」の中身の話に入る前に、まず筆者が当初どのように売却活動を始め、最終的にこのサービスを選ぶに至ったかの過程を、一般的な仲介業者とのやりとりの内幕を含めてご紹介したい。通常の売却方法と比較したほうが「おうちダイレクト」の「セルフ売却」の特長が際立つと思うからである。

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大都市圏の分譲マンションに住む者にとって、自宅の売却を意識するかどうかにかかわらず日々否応なく目に入ってくるものといえば、自宅の郵便受けに投函される複数の大手仲介業者からの「このエリアで売却物件を探しています」とか「予算○○○○万円、○○㎡程度の物件をお探しのお客様がいます」などと書かれたチラシだろう。業界用語では「売り物件求むチラシ」と呼ばれるそうだ。

なかでも、筆者が当時住んでいたマンションを分譲したデベロッパー系列の仲介業者は、「お宅の物件は今も活発に取引されていますよ。当社は中古の売却実績も十分あるので、ぜひご依頼を!」といつも訴えてきていた。

それこそ、言外に「このマンションのことを一番知り尽くしているのは弊社であり、実際に仲介実績でもダントツです!」というメッセージがにじみ出ている広告を見て、筆者も最初はいったん、安直に「ではあの会社に頼むか」となりかけたのだった。