養老孟司「おもしろい発見」が生まれる、記録のススメ

人生最高の10冊
養老 孟司 プロフィール

養老孟司さんのベスト10冊

第1位『夜と霧 新版
ヴィクトール・E・フランクル著 池田香代子訳 みすず書房 1500円
「フランクルは、他者が“生きる意義”を見つけることへの手伝いに、自分の使命を見出した人であると感じています」

第2位『人イヌにあう
コンラート・ローレンツ著 小原秀雄訳 ハヤカワ文庫NF 800円
「犬に対する、動物学的な考察の深さはもちろん、ローレンツの犬に対する愛情の深さにも心を打たれる一冊です」

第3位『脳のなかの幽霊
V・S・ラマチャンドラン、サンドラ・ブレイクスリー著 山下篤子訳 角川文庫 920円
「脳は、自分の不調を体のほかの部分のせいにする。たとえば腰痛も、多くは脳が原因であると言われています」

 

第4位『完訳 ファーブル昆虫記』(全20冊)
ジャン=アンリ・ファーブル著 奥本大三郎訳 集英社 3600円(第一巻・上)
「SNS時代ではみんな“感想”を口にするけど、まず“記録”の大切さをここで学んでほしい」

第5位『積みすぎた箱舟
ジェラルド・ダレル著 セイバイン・バウアー画 羽田節子訳 福音館文庫 入手は古書のみ
さまざまな苦難と驚きに満ちた、英領時代のカメルーンにおける野生動物収集の記録

第6位『モモ
ミヒャエル・エンデ著 大島かおり訳 岩波少年文庫 800円
少女モモと時間泥棒との戦い。「“不確かさ”を愛することの喜びと意義を教えられます」

第7位『火星の人類学者 脳神経科医と7人の奇妙な患者
オリヴァー・サックス著 吉田利子訳 ハヤカワ文庫NF 940円
「脳神経科医の著者と個性的な患者たち。色覚異常の画家のエピソードは特に面白い」

第8位『呪われた町』(上・下巻)
スティーヴン・キング著 永井淳訳 集英社文庫 入手は古書のみ
「キングの初期のヒット作。まだ作風は確立していない頃ですが、これも十分に怖い」

第9位『めぞん一刻』(全10巻)
高橋留美子著 小学館文庫 各600円
「ノスタルジック。'80年代の下宿が持っていた、人情味あふれる感じがよく出ています」

第10位『イタリアン・シューズ
ヘニング・マンケル著 柳沢由実子訳 東京創元社 1900円
「人生のどこかで、必ず過去のつけは回ってくる。なかなか“世捨て人”にはなれません」

『週刊現代』2020年1月11・18日号より