信用度は世界最下位! 日本人の6割がワクチンを危険視する理由

「健康食品ブーム」はむしろ危険だ
宮坂 昌之 プロフィール

免疫学者である私から見ると、ワクチンの有用性、安全性は、ワクチンによって被る不利益をはるかに超えるものがあるのだが、ワクチンや免疫のしくみに関する初歩的な事実が看過され、しばしば医学的に誤った主張がなされている。

こうした誤情報に翻弄されると、かえって健康被害を受けることになる。

ここで、この本では、まず、ワクチンと免疫のしくみについてわかりやすく書くことを心掛けるとともに、「免疫力」の「ウソ」と「ホント」についても解説した。

免疫力を反映するパラメーターは何だろうか? 簡単に測れるものがあるのだろうか? また、最近、開発が進んでいる新しいがんワクチンや、その他の免疫学的ながんの治療法についても触れた。

ただし、注意すべきは、「免疫力」は高ければ高いほどよいのではないことである。最新の免疫学の知見では、免疫の力が強くなり過ぎると、反応しなくてもよい外来性物質や自己成分にまで反応して、かえって健康が損なわれることがわかっている。バランスが大事なのだ。

さらに、巷に氾濫している健康食品の多くには暗示効果以上のものはなく、摂取してもからだの免疫力はほとんど変わらないことについても紙幅を割いた。

健康食品は精神安定剤以上のものではない。免疫系全体の能力を上げるためには、むしろ、血流やリンパ流量をよくすることのほうが役に立つ。

適度な運動が免疫力を高める Photo by Getty Images

そして、なるべくストレスをなくすことだ。

「信じるものは救われる」と言うが、健康食品や民間療法の多くは「信じても救われない」。そのようなものに頼るよりも、からだの働き方を科学的に理解して、それに伴ったものの考え方、生活の仕方を実践することが賢明かもしれない。