信用度は世界最下位! 日本人の6割がワクチンを危険視する理由

「健康食品ブーム」はむしろ危険だ
宮坂 昌之 プロフィール

マスコミも、ワクチンの副作用が疑われるケースがあると、鬼の首をとったかのように大きく報道をする。ただし、その報道が事実だったのか、誤解だったのか、あとでただすことなく、「報道しっぱなし」のケースが多いようだが……。

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世界一ワクチンの信用度が低い国は日本だった

このような状況のもと、2019年6月、「世界でワクチンの信頼度がもっとも低い国は日本とウクライナ」という報道が国際的科学誌「Nature」でなされた。あるイギリスの医学研究団体が科学と健康に対する各国民の考え方について大規模な調査を行い、その結果を「Nature」がニュースとして報告したのである。

 

それによると、世界全体では8割近くの人がワクチン接種をおおむね安全と考えているのに対して、欧米諸国を含む豊かな国々ではワクチンに対する信頼感が低く、なかでもウクライナと日本では4割未満の人たちしかワクチン接種を安全と考えていない。

「Nature」によると、科学的知識の豊富さがかえってワクチンの信頼度を低くしていて、単なる教育や知識提供ではワクチンに対する懐疑論に対抗できないのかもしれない、とのことである。

一方、私から見ると、もう一つの大きな理由は、既にアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちが2018年に報告しているが、「ウソのニュースほどホントのニュースよりも早く伝わる」ということなのかもしれない。

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「ウソ」の情報のほうが「ホント」の情報よりも目新しく感じられ、人は目新しく感じるニュースのほうを拡散したがる。これが「人間の性」なのであろう。

ワクチンの「誤情報」を正すために

このような背景をもとに、今回、『免疫力を強くする──最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』(講談社ブルーバックス)を著した。