壮絶な薬物依存から復活し、映画に生きた“異端の天才”の軌跡

アメリカ映画史を変えた男

今年はピエール瀧や沢尻エリカなど人気俳優の薬物使用による逮捕が世間を騒がせた。薬物の使用がキャリアの終わりであるかのような見方がされがちな日本だが、ハリウッドでは、いまやスーパー・ヒーローを演じるロバート・ダウニー・Jr.やトム・ハーディ(彼の場合は『ヴェノム』のアンチ・ヒーローだが)など、薬物依存症を克服して一線で活躍する俳優は少なくない。

セックス・ドラッグ・ロックンロール時代のハリウッドを象徴する監督・俳優であるデニス・ホッパーもその一人だ。

デニス・ホッパー〔PHOTO〕『デニス・ホッパー/狂気の旅路』より
 

初めて監督・主演を務めた映画『イージー★ライダー』(米公開1969年)で時代の寵児となりながらも、監督2作目の『ラストムービー』(米公開1971年)の編集について映画会社のトップと揉めたことをきっかけに同作は公開後数日でお蔵入りし、ホッパーもハリウッドから追放されてしまう。その後、アルコールと薬物の依存症に陥り長く暗い時代を過ごすが、1970年代後半から徐々に俳優としてカムバックしていく。

そんなデニス・ホッパーの壮絶な半生を綴ったドキュメンタリー『デニス・ホッパー/狂気の旅路』が、“呪われた映画”あるいは“革命的傑作”ともいわれる『ラストムービー』とともに12月20日より公開中。

14歳の頃にホッパーと偶然出会い、『ラストムービー』に衝撃を受けて映画監督を志したニック・エベリング氏は、ホッパーを知る人々にインタビューを行い、未公開の貴重な映像を盛りこみながら『デニス・ホッパー/狂気の旅路』を作り上げた。現在LAで活動するエベリング監督に、アメリカ映画史にホッパーが残した功績、そしてハリウッドとドラッグの関係について聞いた。

ニック・エベリング監督