1月12日 桜島大噴火(1914年)

科学 今日はこんな日

地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

桜島は、日本の九州南部、鹿児島県の鹿児島湾(別称、錦江湾)にある東西約12km、南北約10km、周囲約55km、面積約77平方kmの火山です。活動的で、噴火を繰り返し、いつも噴煙をあげていることで有名な火山ですが、その中でも最大級の噴火の1つ、「大正大噴火」が1914年のこの日に起こりました。

噴火の数ヵ月前から桜島の一部集落で井戸水の水位が低下して水が汲みとれなかったり、地熱の上昇によると思われる冬眠中の生物の活動が見られたりするなど、前兆が見られるようになってきていました。年が明けた1月10日になると地震が頻発し、噴火前日の11日には明らかに体で感じられる地震も起こりはじめました。

12日8時30分ごろ、脇、有村など島の南海岸から熱湯噴出。やがて南岳の山頂と中腹から白煙が上昇し、10時ごろに南岳の西側中腹(標高約350m)、 少し遅れて東側中腹(標高約400m)から噴火がはじまりました。

13日になると、輝石安山岩質の溶岩が流出しはじめ、西方では海に達した溶岩流が沖合の烏島を飲み込んで、南東方の溶岩は脇、有村、瀬戸などの諸集落を埋没して幅350m、深さ72mの瀬戸海峡(桜島水道)を閉塞。桜島は大隅半島と陸続きとなったのです。

【図】桜島と周辺の位置関係と大正噴火の概要
  桜島と周辺図上に示した大正大噴火の概要(参考:内閣府報告書〈1914 桜島噴火〉)

火山灰は、風下の桜島南東側などで1.5mに、鹿児島市内でも30cm近くに達して、遠く仙台でも降灰を観測しました。マグマ噴出量は、噴出物を溶岩と同じ比重に換算した体積で示す単位「DRE(Dense Rock Equivalent)」を用いて1.58DREkm3と言われています。

【写真】火山噴出物に埋まった鳥居
  旧黒神集落にあった「腹五社神社」の高さ3mの鳥居が、噴火後たった1日で笠木部分約1mを残して噴出物に埋まってしまった photo by gettyimages

また、噴火から約8時間後、18時29分には、マグニチュード7.1の強震が発生し、鹿児島市を中心に被害が多発しました(桜島地震)。噴火とそれにともなう桜島地震による被害は大きく、死者は58名、負傷者112名、噴火による埋没・全焼家屋約2140戸となりました。

【写真】フランスの雑誌に掲載された噴火の様子
  フランスの雑誌で伝えられた噴火の様子 photo by gettyimages

噴火の前、鹿児島測候所(現:鹿児島地方気象台)は「噴火の前兆ではないので、避難準備の必要なし」とアナウンスしていました。東桜島村長だった川上福次郎は、これを信じて住民に避難不要の指示をした結果、多くの遭難者を出してしまったことを悔いて、「異変を知ったら、理屈を信用しないで未然に避難せよ」との教訓を後世に残すことを切望したそうです。

東桜島小学校にある「桜島爆発記念碑」には、この川上村長の思いが刻まれており、別名「科学不信の碑」として知られるようになりました。予知や予測は難しいものの、常日ごろから正しい知識を身に着け、確かな情報を得るように心がけたいものです。

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