Photo by iStock

「あまり効かない」インフルエンザ接種、でも接種すべき3つの理由

「嫌ワクチン論」に騙されてはいけない
インフルエンザが猛威をふるう季節がやってきました。みなさんはきちんと予防接種を受けていますか?
「予防接種は病院が儲けるためにやっているんでしょ?」「予防接種は副作用が心配……」そう思って予防接種を受けていないあなたは要注意! 「嫌ワクチン論」に染まっているかもしれません。

大ヒット御礼! 『免疫力を強くする』の著者・宮坂昌之さんが、インフルエンザワクチンの“本当の”メリット・デメリットを教えてくれました!

インフルエンザって、どういう病気?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが起こす病気です。16世紀のイタリアでは、インフルエンザは天体の影響によって起こると考えられ、イタリア語の「影響」を意味するinfluenzaという名前がつきました。

インフルエンザは、日本では12月から3月にかけて患者が増えます。最近では、2018年9月から2019年2月の6ヵ月間に、累積の推定患者数が1000万人を超え、総人口の8%以上もの人が感染したと考えられます。典型的には、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が現れます。

Photo by iStock

日本ではインフルエンザによる死者はあまり多くないのですが、世界では最近でも毎年65万人程度の死者が出ていて、変わらず大きな問題となっています。

勘違いしがちな「ワクチン有効率」

インフルエンザワクチンは、ウイルスをニワトリの卵に植えて増殖させ、得られたウイルスをエーテルで部分分解し、さらにホルマリンで不活化したものです。いわゆる不活化ワクチンです。ワクチン製造のためには、WHOがその冬に流行するインフルエンザウイルスの種類を推定し、それに基づいてワクチンが作られるのです。

 

現在のものは、A型のH1N1型、香港(H3N2)型と、B型2系統の計4種類が混合されたものです。残念なことに、その効果はあまり強くなく、日本のワクチン有効率は年によっては50〜60%程度、効きの悪い年には30%程度かそれ以下であろうと言われてきました。

ここで「ワクチン有効率」について少し説明しましょう。ワクチン有効率(vaccine efficacy, VE)は、次の式で計算されます。

VE = (非接種者罹患率 - 接種者罹患率) / 非接種者罹患率 × 100

あるいは、

VE = 1 - (接種者罹患率 / 非接種者罹患率) × 100

この式を見ただけでは少しわかりにくいでしょうから、具体的に説明します。一定期間において、インフルエンザワクチンを接種した人100人と接種しなかった人100人を比べてみます。接種者の中でインフルエンザにかかってしまった人が20人いたとすると、接種者罹患率は20%です。

一方、被接種者100人中、インフルエンザにかかった人が50人いたとすると、非接種者罹患率は50%となります。これを上の計算式にあてはめると、

VE=1-20/50×100=60

となり、このワクチンの有効率は60%ということになります。別の言い方をすると、「ワクチン接種を受けずに発病した50人の60%、すなわち30人は、接種をしていれば発病を防げた」ということになります。

Photo by iStock

では、ワクチンの有効率を50%とした場合、どのような効果が期待されるのでしょうか。まず、インフルエンザが流行しても、実際に発症するのは、成人では100人中10人程度なので、インフルエンザの発病率を10%と仮定しましょう。

この条件のもとで、「ワクチン有効率50%」とは、もし100人全員がワクチン接種しなければ発症者が10人になるところ、100人全員がワクチン接種を受けると発症者が5人に減るということです。

言い換えると、インフルエンザにかからない人が90人から95人に増加するということになります。しかし、100人の集団の中だと、発症者が5人増えても、これは気がつかないぐらいのわずかな差でしょう。