意外!「初もうで」は日本古来の伝統、などでは全くなかった

昭和のブームに流され続ける日本人
島田 裕巳 プロフィール

東京人になるための儀式

初詣は、東京人になるための「儀式」としての性格を持っていたのだ。

日本にプロ野球の球団が生まれるのも昭和初期のことである。今の読売ジャイアンツが設立されたのは昭和9年で、阪神タイガースは翌10年である。

プロ野球が人気を集めるのは、むしろ戦後になってからだが、ジャイアンツやタイガースが絶大な人気を誇ったのも、東京や大阪に出てきたばかりの人間たちが、東京人や大阪人になるための一番簡単な手立てが、そうした球団のファンになることだったからである。

 

東京でジャイアンツ・ファンになれば、たちまち仲間ができる。ほかに、そんな簡単で即効性のある手段はない。初詣にはそれだけの効力はなかっただろうが、とりあえず明治神宮に初詣すれば、東京人としての実感を得ることができたのだ。

戦後の高度経済成長の時代には、さらに東京の人口は増えていく。それにつれて、明治神宮に初詣する人の数も増えていった。

日本の宗教人口がもっとも多くなるのはバブルの時代である。おそらく初詣も、その時期にピークを迎えたはずである。

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