1月2日と3日の2日間にわたって開催される東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)も目前。普段は陸上競技に関心なくても、お正月の箱根駅伝は必ず見る、という人も多いのではないだろうか。第96回となる2020年大会は、2019年大会の上位10校+10月に開催された予選会の上位10校+関東学生連合チームの合計21チームがタスキをつなぐ。

早稲田大学在学中に箱根駅伝を走り、現在は、毎年NHKラジオでの解説を担当する金哲彦さん。4年連続で5区の山上り区間を走り、区間賞も2度獲得したいわば元祖「山の神」。その金さんに、スポーツ紙では読めない、にわかファンでも楽しめる箱根駅伝のポイントを聞いてみた。

インタビュー・文/下井香織

「山の神」の条件

日本においては、箱根の「山の神」というのは、オリンピックのメダルと同等の価値になりましたよね。箱根駅伝がそれだけ注目度が高いということ。プロランナーとして、大会のゲストランナーや解説者として呼ばれて活動している神野大地(青山学院大学→コニカミノルタ→セルソース)を見ているとそう思います。柏原(竜二 東洋大学→富士通)も、選手としての現役引退後は、富士通に勤務しながら、やはり解説やゲストランナーとして引っ張りだこです。今や「山の神」って、それくらいのブランド力を持っているんですね。

4代目「山の神」になれる可能性を秘めているのは、2019年大会5区区間賞の浦野雄平選手(國學院大学)でしょうか。ただ、國學院が優勝できるかどうかですね。

國學院大学の浦野選手は全日本大学駅伝で2区を走り、区間新記録をマーク 写真/國學院大學陸上部インスタグラムより

「山の神」になるには、速いだけではダメ。優勝チームにいることが条件なんですよ。「山の神」といわれる3人、今井(正人 順天堂大学→トヨタ自動車九州)、柏原、神野はみんなそう。5区だけ強くても、チームが優勝しないと「山の神」にはなれない。

発売中のNumberでは神野・柏原・今井という夢の「山の神座談会」を掲載 写真/神野大地公式インスタグラム(@daichi0913)より

それと、苦しい上り坂で、前の走者を次々とごぼう抜きしていく、というパフォーマンスがあって「山の神」という称号が得られる。そう考えると、5区の距離が短くなってしまったことで、「山の神」は生まれづらくなってしまったかもしれません。※1

※1 箱根駅伝の5区は、2017年、それまで23.2㎞だった距離を20.8㎞に短縮。