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ミサイル乱発…いよいよ苦境の金正恩は「新年の辞」で攻勢に出るか

イランの幸運が自分にもあると思うな

イラン大統領の来日は重要ポイント

日本を訪れていたイランのハッサン・ロウハニ大統領が12月21日、2日間の日程を終えて帰国した。イラン大統領の訪日は19年ぶりである。

日本に経済支援を求めるのが主たる目的であり、世間の注目を集めるような劇的な動きはなかったが、これは安倍外交の重要な成果だ。

 

振り返ると、6月13日にホルムズ海峡近くのオマーン湾で石油タンカー2隻が攻撃を受けた。

この事件について、イラン側は関与を否定しているが、米国は「証拠」の映像(イランの革命防衛隊がタンカーから不発だった機雷を取り外している場面だと説明)などを公開して、イランの仕業だと強硬に主張した。

この米国の動きに対して、イラン側も猛反発し、あわや開戦という状況になった。

タンカー攻撃は、6月12~14日までの安倍首相のイラン訪問中に起こった。そのため、安倍外交が批判的に論評されたが、あまりに出来すぎたタイミングを考えると次のようなシナリオも考えられる。

タンカー攻撃や、その後のイランへの「作戦」がうまくいかなかった場合のオプションとして、安倍首相のイラン訪問をトランプ政権がセットしたという「米国による自作自演」説だ。

つまり、トランプ大統領が「悪い警官」で、安倍首相が「良い警官」役を分担したということだ。

事実、タンカー攻撃の翌日、ドイツのハイコ・マース外相が米政府の証拠に疑問を呈している。

筆者もこのビデオを見たが、映っているのが本当にイラン政府側の人間なのか、それとも米国側に仕込まれた人間なのか、この映像だけではわからない。さらに、ビデオ撮影だけをして、それらの「疑わしき人間」がそのまま逃げるのを放置したというのも奇妙だと思った記憶がある。

その後も、ドイツだけでなくフランスなどの欧州諸国がイランを引き続きかばう姿勢を見せたことから、米国は、9月14日にサウジアラビア石油施設がドローンのミサイルで攻撃された時も、開戦には踏み切れなかった。

そして結局、イランはドイツ・フランスなどの「米国の同盟国」を後ろ盾にし、日本を仲介役にして「話し合い路線」に復帰した。その成果が今回の訪日である。

金正恩氏は、このケースを見て、北朝鮮に対しても米国の軍事作戦はないと踏んでいるようだ。だが、それは大きな間違いである。