アメリカの経済とも連動

1962年に創業したアメリカのパントン社は、印刷やコンピューター用の色見本帳で知られます。流行色情報は、色見本帳を活用するデザイナーなど、主に商品開発に携わる作り手の人々の間で活用されてきました。

インターネットやスマートフォンの普及をはじめ、経済・社会・生活のあらゆる場面で情報化が進展し、より多くの人々がその恩恵を享受するようになっています。その一方で、作り手に向けて発信される流行色情報は多岐に渡り、一般の消費者には難解でわかりづらいところがあるかもしれません。

クラシック・ブルーのインテリア例 photo by iStock

カラー・オブ・ザ・イヤーの選定は、パントン社の一事業部門である、パントン色彩研究所が行っています。2000年にスタートした「パントン・カラー・オブ・ザ・イヤー」は、20年の年月を経て、ファッションやライフスタイル関連商品など、さまざまな分野において、消費者の購入決定にも影響を与えるようになりました。年齢、性別、国籍などを枠組みを超えて、より多くの人々に共感される色が選定されてきたといえるでしょう。

色は身の回りに当たり前のように存在していますが、テクノロジー、素材、テクスチャーなどが発達するにつれて、色の表現はますます豊かになっています。また、色は心身にさまざまな効果をもたらしますが、色のイメージも世の中のさまざまなものごとから影響を受けています。

ファッション、デザインはもちろん、エンターテイメント、音楽やアート、新しいライフスタイル、人気の高い観光地、世界中で注目されるスポーツイベント、ソーシャル・メディア、そして、社会経済などです。カラー・オブ・ザ・イヤーは、世界中の多彩な領域について慎重な考察とトレンド分析を行った上で選定されています。

アメリカの個人消費は堅調だと言われますが、多くの企業が設備投資を縮小し、先行きに慎重な見方を示しているとも報じられます。アクセルを踏んで経済を加速させたいというマインドよりも、どちらかといえば、少しペースダウンして、足元を固めたいと考える人々が増えているのかもしれません。クラシック・ブルーのような鎮静効果に優れた色が選ばれたのは、アメリカにおける社会経済の動向とも無関係ではないでしょう。