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迷走の共通テスト、国語は「記述式」以外にもこんなに問題がある

複数テキスト、実用文はどうなる?

記述式問題導入の延期でますます深まる混迷

前稿では、2021年春からはじまる「共通テスト」で、このまま記述式問題が導入されたらどれほどの混乱が生じるかを予測した。幸い、延期ということで決着がついたが、しかし先に指摘した問題が解決されないかぎり、記述式を入れるのは無理だろう。

延期を決めた萩生田光一文科大臣〔PHOTO〕Gettyimages

そこはまだ予断を許さないが、ただこの延期を受けて、〈今回の入試改革がふりだしに戻った〉という論調の報道が目立つのが非常に気になる。ふりだしどころか、どうしてよいのかまったくわからなくなった、というのが現状だ。少なくとも国語の入試改革においては、記述式問題は三本柱の一つにすぎず、しかもより重要な二つの点がどうなるのか、まったく示されていないからだ。

「三本柱」とは、「実用文の導入」「複数テクスト化」、そして「記述式問題の導入」である。このうち、「記述式問題」は解答形式に関するものだが、前二者は読解力に直接関わるもので、この改革によって「読む」ということの意味が変わりかねない。「記述式」延期によってこの二点はいったいどうなるのか。

 

センターと共通テストの違い

この混乱を理解するには、従来の「センター試験」と「共通テスト」の違いを把握することが必要だ。整理してみよう。

本来、改革は以下のようになるはずだった。

つまり、「実用文」に関する大問が丸々一題増え、時間も20分増える、ということに加え、大問それぞれの問題文が「複数テクスト化」し、「1実用文」か「2評論」かのどちらかに「記述式問題」が出題される、というのがこれまでの試行調査で示された「共通テスト」のかたちだった。