2020年「日本経済終了」説の実相…アベノミクスの賞味期限か?

「バブル最高値」から今日で30年
鏑木 邁 プロフィール

別のある中堅証券ストラテジストもこう話す。

「日銀がETFを通じて業績に関係なく幅広く日本株に買いを入れ続ける過程で、いつしか東証1部上場企業の大株主になった、というパターンも少なくない。

日銀は2016年から年間6兆円のペースでETFを買っており、19年3月末時点の時価ベースでの保有額は約29兆円と、東証1部市場の時価総額の約5%を占める規模にまでふくれあがっています。しかも、それが今後も増えていく。

このような状態では、例えば日産株を日銀が保有していたとして、元会長のゴーン氏の騒動などの際に、日銀が株主総会でどういう議決権を行使したのか開示されない。

こういうことの積み重ねが、海外からの『日本の株式市場は中央銀行に統制されている』とか『一般株主に株が回らなくなる』という批判につながっている。海外投資家からは『日本はいっそ、「株価安定法」でも作ってしまえばいい』と揶揄されています」

 

トレーダーたちの「日本離れ」

日銀のETF買いで株価が十分に下落しなくなったことの弊害として、トレーダーなど証券業界の海外への人材流出が進んでいる。銀行系証券のベテラントレーダーが打ち明ける。

「日本株はボラティリティ(価格の変動率)が低く実績を上げにくいという理由で、シンガポールや香港に30~40代の働き盛りの若手が集まる傾向が、年々強まっています。それらの市場で働くのは確かに厳しいですが、年収も2000万、3000万が当たり前の世界ですし、何よりブランドになりますからね。そこで3年ほど働いて、日本に戻るか海外に移住するか選ぶというわけです。