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超大金持ちに「富裕税」をかけたら、社会はここまで変わります

アメリカでは導入に現実味が出てきた

米国で富裕層が保有する資産に税金を課す、いわゆる「富裕税」の導入が現実味を帯び始めている。次期大統領選挙をめぐっては、民主党の複数の候補者が富裕税を主張しており、民主党政権が誕生した場合には、具体的な施策が検討される可能性が出てきた。

 

富裕層は資金を遊ばせない

近年、グローバル経済の発達によって格差問題が議論されるケースが増えている。かつては貧困問題の方が圧倒的に重要なテーマだったが、この問題に対しては大きな政府という形で弱者支援の支出を増やすというのが定番の解決策だった。

だが、今、米国で議論されているのは貧困という下方向の格差ではなく、特定の超富裕層が富の多くを独占するという、上方向への格差である。たくさん富を持ったところで、1人の人間が消費する金額には限度があるので、富の多くを一部の富裕層が独占してしまうと、社会全体でお金が回りにくくなるとされる。

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富裕層が富を独占することが経済にとってマイナスなのかは、簡単に結論付けられる話ではない。

富裕層は保有する富をタンス預金しているわけではなく、そのほとんどを何らかの金融商品で運用している。現金を銀行に預金している場合でも、そのお金はほぼ全額、融資などの運用に回っているので、マネーがそのまま滞留している可能性は限りなくゼロに近い。