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2019年の「ジェンダー炎上」で起きた3つの大きな変化

もはや女性だけの関心事ではない

2019年は、企業や自治体の広告に留まらず、あらゆるものが「ジェンダー炎上」した年だった。『炎上しない企業情報発信:ジェンダーはビジネスの新教養である』(2018年・日本経済新聞出版社)で、CMや広告におけるジェンダー表現によって炎上した事例を紹介、分析した筆者が、2019年の主なジェンダー炎上事例を振り返りつつ、そこで起きた変化と課題について考えてみたい。

変化1:
テレビで「ジェンダー炎上」を取り上げるようになった

2019年における大きな変化は、テレビ番組でジェンダー炎上を取り上げるようになったことだと思う。特に、企業名を伏せずに事例を分析したり、問題の背景を考えるようになったりしたことは良い変化だ。

例えば今年3月、トヨタ自動車がTwitter投稿で「女性ドライバーの皆様へ質問です。やっぱり、クルマの運転って、苦手ですか?」と尋ねたところ、批判を集めて取り下げたことがある。もともと試乗会を通じて、運転に苦手意識のある女性が多いようだ、という認識がこのようなツイートにつながったという背景があった。

 

批判を受けてトヨタは、「女性の運転技能が男性より劣るかのような」表現をしたことを謝罪している。これは、元投稿の問題を正面から捉えている点が評価できる。

この事例をテレビで取り上げたのが、朝の情報バラエティ番組『とくダネ!』(フジテレビ系)だ。同番組は女子ハンドボールの応援目的で作られた旗の文言や、女性誌『Domani』(小学館)の広告も同時に扱った。どちらもジェンダー炎上したからだ。

その際、インターネットでアンケートを取り、問題となった広告やTwitter投稿について「あり」か「なし」かを尋ねている。私はスタジオで炎上事例を解説したのだが、ゲストから様々な意見が出たことに加え、大スポンサーであるトヨタ自動車の失敗をテレビが正面から取り上げたことは、評価されるべきだと思う。