# 統計

海外旅行や新聞、犯罪まで…「若者の◯◯離れ」は本当か?

決めつける前にデータを見よ
イマドキの若者は海外に出て広い世界を見ようとしない、そればかりか国内のニュースにも関心がない…、そんなふうに少々、上から目線で世を嘆く大人は少なくありません。しかし、若者の「海外旅行離れ」「新聞離れ」ははたして本当なのでしょうか?
データサイエンス「超」入門』などの著書もあるデータサイエンティスト、松本健太郎氏が各種統計にあたって見えてきた、意外な事実とは…?

「若者の海外旅行離れ」と言うけれど…

みなさん、年末年始はどこか旅行に行かれましたか。一部報道では海外旅行者数が過去最高とありましたが、その一方で若者が海外に行かなくなった、と言われて久しくなりました。こうした状況を「若者の海外旅行離れ」と評する人も多いようです。

そんな私も、海外旅行は好んで行きません。なんだか疲れるんです。家でゴロゴロしていた方が良い。そんな本音をポロッとこぼすと「私が若者の頃は、沢木耕太郎の『深夜特急』を握りしめて、バブル直前の日本を抜け出してアジアに出かけたものだ」とマウンティングをしかけてくる意識高い系おじさんがいます。

 

一方で、若者にも言い分はあります。最たる理由はお金です。「給料が増えないのに海外に行く余裕なんてあるわけ無いだろ」と訴える若者は多いのではないでしょうか。

実際、20代出国者数は1996年の約463万人をピークに減少し続けています。この数年間は回復傾向にありますが、それでも全盛期の3分の2程度です。

 1965年〜2018年の20代出国者数
(法務省「出入国管理統計」)

ちなみに沢木耕太郎さんの『深夜特急』が刊行されたのは1986年で、80年代後半の20代出国者数は約200万人前後でした。2018年の20代出国者数はその頃と比べても十分に上回っているので、深夜特急マウンティングは単なる年長者の「俺の時代はすごかった」自慢と受け止めれば良いでしょう。

ただし、グラフからわかる通り、1996年をピークに出国者数は減っています。それは「給料が増えないから」が適切な理由なのでしょうか?